【頻発】賃貸管理会社変更の4大トラブル実例を紹介

戸谷 太祐 監修者:戸谷 太祐
【頻発】賃貸管理会社変更の4大トラブル実例を紹介

「賃貸管理会社を変更したいけど、どんなトラブルが起こりうるのかな?今の管理会社問題があるから変えるのも怖いんだよな…」

「賃貸管理会社を変更するとき、トラブルを避けるにはどうしたらいい?安心して新しい賃貸管理会社に移行したいなあ」

現在の賃貸管理会社を変更しようと考えたとき、このようにトラブルを避けて安心して新たな会社と契約に進みたいとお考えになるのは当然です。

賃貸管理会社を変更するときに起こりやすいトラブルは、大きく分けて以下4種類です。

またこれらは、ものによっては表面上は想定しにくいものの、実際には頻発しやすく、深刻な事態を招く可能性のあるトラブルばかりです。

たとえば旧管理会社による嫌がらせを受けた事例として、以下のような解約を求めたが、法外な違約金を請求されたトラブルがあります。

2つの物件を所有していたオーナーが、管理会社を1つにまとめたいと考え、賃貸管理サービスや実績を評価しながら、ある管理会社に決めました。

そこで既存の管理会社に解約を求めたところ、すでにオーナー側からは、管理契約を解除しにくい契約が締結されていました。

さらに半年分の家賃を違約金として請求され、新たな管理会社も直談判するといった手はずを尽くしたが、結局解約できなかったのです。

(参考:日本信託グループ「管理解約の違約金が家賃半年分!?管理会社切り替えの思わぬ落とし穴」)

トラブルが発生すると、無用な保証会社への加入や修繕費用など、オーナーへの直接的な経済的損失はもちろんのこと、サービス低下から入居者の不満が蓄積して退去につながりかねません。

結果的に収益が得られなくなり、賃貸経営自体が続けられなくなる可能性まであるのです。

そこで、賃貸管理会社変更時に起こりうる4大トラブルを事例とともに詳しく解説していきます。

本記事を読めば、トラブルなく賃貸管理会社を変更できるだけでなく、あなたにぴったりな会社を探せますので、さっそく読み進めていきましょう。

1. 賃貸管理会社の変更トラブル(1)引き継ぎのタイミングミスや連絡漏れを起こす

一つ目のトラブルとして、管理会社の変更にともない、入居者からクレームや不満が生じることがあります。

主に自身の知識不足により、引き継ぎのタイミングミスや入居者への連絡漏れなど、以下のような人為的ミスによりトラブルに発展するケースが多いです。

【よくあるミス】

  • 家賃の支払い方法変更を伝えそびれる

  • 火災保険や保証会社の切り替えを忘れる

  • 緊急連絡先変更を伝え忘れる

ここで実際に起きたトラブル事例を、国土交通省の資料「賃貸住宅管理業者をめぐるトラブルと業務のルール化による対応の整理」を参考にしながら見てみましょう。

伝達漏れによる不信感で入居者が家賃振込を拒否

背景・原因

入居者へ新管理会社から突然、管理会社の変更通知が届く。

同時に、家賃支払口座番号の記載された書類が同封されていたが、これまで一度も管理会社が変更になるという話は一切なかった。

結果

書類の内容を信じて良いか入居者は判断できず、結果的に入居者は家賃を振り込まなかった。

参考:国土交通省「3.管理受託契約に関する賃借人に対する書面の交付」

サービス内容の説明遅延による入居者クレーム

背景・原因

アパートの管理会社が1か月前に変更。

管理会社が変更になること自体は旧管理会社から入居者へ説明があったものの、その後新管理会社から詳細な話がまったくない。

旧管理会社はいずれ新管理会社から説明があるはずという。

しかし結局、管理会社が変更になったことで何をどこまで対応してもらえるのか、入居者には何も伝えられない。

結果

家賃の支払い方法や緊急時の連絡先など、重要な変更内容が入居者へ長期間説明がなく、不満からのクレームへ。

参考:国土交通省「3.管理受託契約に関する賃借人に対する書面の交付」

賃貸管理会社が変更になる場合、家賃の振込先や新たなサービス内容など、オーナーは契約内容を把握していますが、契約に立ち会ってもいない入居者は一切知りません。

それゆえ管理会社やオーナー側から、新たな業務内容や必要手続きについて懇切丁寧に説明し、理解を得ておく必要があります。

無用なトラブルやクレームの火種とならないよう、引き継ぎのタイミングミスや連絡漏れには十分注意してください。

2. 賃貸管理会社の変更トラブル(2)新しい管理会社の業務範囲や料金が認識とちがった

管理会社の変更により、新管理会社の対応におけるオーナー自身の認識のズレが生じる場合があります。

変更内容

代表例

料金設定

契約事務手数料や物件調査費用などの初期費用が発生した

業務の対応範囲

24時間緊急対応していたが、9時-18時の日中のみに短縮した

定期報告

毎月報告があったが3か月に1度に減少した

判断基準や

承認プロセス

管理会社側がオーナーへ業務の相談をする頻度が減少した

認識のズレが生じると「以前はすぐに報告してくれたのに」「相談なしに工事された」と不信感を得る場合もあるでしょう。

場合によっては、オーナー側が詳細をきちんと把握していないことで、入居者トラブルにもつながりかねません。

ここでは実際に、トラブル事例を見ていきましょう。

契約内容の把握不足による無断工事や入居者クレーム

背景・原因

オーナー側が新管理会社がおこなう業務の範囲を把握しておらず、業務内容や責任範囲が曖昧に。

当然ながら入居者も契約内容を知らないため、新管理会社の業務範囲は不明。

結果

オーナーだけでなく、入居者とのトラブルにまで発展!

・アパートの内装工事をオーナーの許可なしに開始。

・入居者がドアの鍵を紛失し、管理会社が鍵代と手数料3,000円を請求。「想定外だ!」とクレームへ。

参考:国土交通省「2.賃貸人に対する管理受託契約成立時の書面交付」

サービス内容の低下から入居者クレームの発生

背景・原因

マンションの管理会社が変更となったことで、共用部の清掃回数の減少や蛍光灯の交換遅延など、入居者の生活に直結する不具合が生じた。

結果

当然入居者の不満は蓄積。「これまでと同じ管理費用を支払いたくない」とクレームが生じた。

参考:賃貸借トラブルに係る相談対応研究会「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版) P61 」

契約内容の確認不十分から知らずに保証会社と契約

背景・原因

管理会社を変更するためにオーナーが手続きを実施。多忙だったことから契約書類の内容を細かく確認せず、署名捺印をして返送した。

結果

前の管理会社ではなかった保証会社との契約に関する書類があり、知らずに契約締結してしまった。

保証委託料を保証会社から請求されてしまい、金銭的な痛手を負うことに。

参考:弁護士ドットコム「賃貸:管理会社変更時の契約内容変更について」

契約内容の確認不十分のほか、このようなトラブルによって入居者からの信頼を失うことで退去となる可能性もあります。

結果的に、大きな経済的な損失にも発展しかねないのです。

3. 賃貸管理会社の変更トラブル(3)新旧管理会社で引き継ぎに失敗する

賃貸管理会社を変更するとき、新旧管理会社間による引き継ぎ情報の食い違い・不備が起こるケースは少なくなく、結果的にトラブルにつながります。

カテゴリー

問題一例

影響度

トラブル例

入居者情報

敷金・礼金の預かり額

大

退去時の返還トラブルになる

家賃滞納履歴

大

督促が止まり滞納が拡大する

入居者連絡先

大

緊急時に連絡が取れない

保証人情報

大

家賃回収時に保証が効かない

物件情報

鍵管理情報

大

鍵紛失時の対応が困難になる

原状回復の取り決め

大

退去時の費用負担でトラブルになる

クレーム履歴

大

繰り返した場合、より大きな問題に発展する

設備交換記録

中

保証期間や責任範囲が不明になる

修繕履歴

小

同じ箇所の重複修繕になる

契約・法的書類

賃貸借契約書原本の所在

大

法的手続きをするときに支障がでる

契約更新履歴

中

契約条件の認識違いにつながる

保険契約状況

中

事故時の補償が不明瞭になる

管理会社のなかには、引き継ぎ業務を面倒に感じる担当者もいます。

旧管理会社にとっては契約が終了するため、引き継ぎ業務を丁寧にするメリットはなく、新たな管理会社へ書類を渡しただけで引き継ぎ業務を終えてしまう場合もあるでしょう。

実際に、次のようなトラブル事例があります。

入居者の家賃滞納分の支払いについて弁護士の介入

背景・原因

入居者の家賃滞納分は分割して月々の家賃に上乗せして支払うことになっていたが、その引き継ぎがされていなかった。

結果

管理会社変更後、新管理会社から入居者へ滞納分+20~30万円を上乗せして支払うよう要求。困った入居者は弁護士へ相談。

参考:弁護士ドットコム「マンションの管理会社変更について」

管理会社の引き継ぎミスで斜面の敷地崩落+損害賠償

背景・原因

傾斜地に建設されたマンションで、管理会社が以下の確認・引き継ぎミスをおこなう。

引き継ぎミスの代表例)

管理員が斜面上部で亀裂を発見し、写真撮影したが、マンション管理組合への報告を怠った。

結果

斜面の敷地部分が崩落し、道路に土砂が流出する事故が発生。マンションの管理組合が管理会社に対して補修工事費用などの損害賠償を請求した。

参考:新銀座法律事務所「マンション管理会社への損害賠償請求」

管理会社の引き継ぎがうまくいかず、アパートの鍵を紛失

背景・原因

アパートのリフォームを見積もりなく始められる、無断でフリーレント※されるなど、管理会社に不満を抱いたオーナーは変更を決めた。

結果

案の定引き継ぎ業務はスムーズに進まず、玄関ドア鍵が2本不足する事態になった。

※フリーレント:一定期間の家賃を無料にする契約条件

参考:不動産賃貸経営博士の「お悩み大家さん」「管理会社の対応に不満で管理会社を変更。引継ぎもうまく運ばず玄関の鍵が2本不足していて…」

このように、新旧管理会社で引き継ぎに失敗すると、経済的な打撃がとくに大きくなります。

数十万、数百万円単位での損失を被りかねないトラブルに発展する可能性があるのです。

4. 賃貸管理会社の変更トラブル(4)旧管理会社による嫌がらせを受ける

賃貸管理会社を変更するとき、旧管理会社によって嫌がらせを受ける場合があります。

理由としてはプライドや面子を傷つけられた感情的な反発や、管理委託契約の解除により管理料収入を失うことへの腹いせなどが挙げられるでしょう。

旧管理会社による嫌がらせの具体例

空室対策をしてくれない

入居者からのクレームをわざと伝えない

清掃や点検業務に手を抜く

24時間対応サービスを一方的に停止する

引き継ぎ業務を故意に引き延ばす・漏れを生じさせる

新管理会社は信頼できないといった悪口を吹き込む

オーナーにしてみれば金銭的なダメージや信頼性の低下が生じかねず、新たな管理会社の業務妨害にもつながります。

実際に、次のようなトラブルが起こったケースがあるので、見ていきましょう。

解約を受け入れてもらえず無視

背景・原因

「入居中のトラブル発生時に賃貸管理会社と連絡が取れなくて困っている」と入居者からのクレームが多く、管理会社の変更を決めた。

結果

解約通知を送っても応じてもらえず、事務所に行っても居留守。どうしても解約させてもらえない!

参考:弁護士ドットコム「管理不動産の変更のついて」

感情論だけで違約金を追加請求

背景・原因

築年数が古い賃貸マンションを相続したものの、管理は難しいため売却しようと、賃貸管理会社の解約を決めた。

しかしその時点ですでに、オーナーにとって非常に不利な契約が締結されており、そもそも管理契約解除の条項自体を設けられていないことが判明。

この有り得ない状況に気づいた、オーナーの相続手続きの窓口をおこなっていた会社が、管理会社へ連絡。

結果

「仲介して売買できないのなら、通常解約と違約解除で合計4か月分と管理移行手続き費用1か月分を請求する」と管理会社から主張。

さらに「気持ち的にムカつくので、さらに手間代1か月追加して賃料6か月分請求する」と返答された。

参考:遺産相続コンシェルジュ「悪徳管理会社の卑劣な手口!!賃貸管理委託契約書に潜む罠とは」

保証契約の手続き方法を教えてくれず妨害も懸念

背景・原因

管理会社がオーナーへ賃料の入金額を間違えたり、修繕のような工事費を勝手に相殺したりするトラブルが頻発。

我慢できず解約を決め、自主管理にすることにしたが、保証会社との契約は続けたかったため、代理店である旧管理会社へ手続きを依頼。

結果

関係が悪化していることから、保証会社との契約手続き方法を教えてもらえない。

今後も妨害の恐れすらあり、どう対処すべきか途方に暮れている。

参考:不動産賃貸経営博士の「お悩み大家さん」「管理会社を解約する際に保証契約はどうなる?自主管理へ変更しても保証契約を継続したい!」

このような「ヤバい」管理会社は契約している時点で、賃貸経営に良い影響を与えるとは考えられません。

弁護士へ相談する、違約金の減額を相談して穏便な解除を求めるなどして、多少の経済的損失を出してでも、いち早く変更に踏み切ったほうが今後の経営にはプラスになる可能性が高いです。

目先の違約金を惜しんで問題のある管理会社と長期間付き合うより、早めに損切りして健全な経営環境を整えるほうが、長期的な経営においては確実に有利になるでしょう。

5. 賃貸管理会社の変更トラブルを防ぐには丸投げせずに「オーナーが引き継ぎを管理する」ことが重要

ここまでで、賃貸管理会社を変更するときに起こりやすいトラブルについて、おわかりいただけたかと思います。

ですが中には、管理会社を変更するときはオーナーはあまり口出しせず、見守っていればいいのだろうと思う方もいるでしょう。

賃貸管理会社の変更トラブルを防ぐには、丸投げせずに「オーナーが主体的に引き継ぎを管理する」ことが非常に重要です。

なぜなら、事前に引き継ぐ内容や連絡事項を確認しておかなければ、気づかないうちにトラブルに発展する可能性が高いからです。

しかし、引き継ぎは管理会社間の作業ではなく、オーナーが主導する業務移管と考えるべきです。

その上で、オーナー、新旧管理会社の三者が直接対面で打ち合わせをする場を設け、次のチェックリストをもとに「引き継ぎ済」「未完了」「保留事項」として、ひとつずつ確認していくと漏れなく進められます。

カテゴリー

引き継ぎ項目

入居者情報

敷金・礼金の預かり額

家賃滞納履歴

入居者連絡先

保証人情報

物件情報

鍵管理情報

原状回復の取り決め

クレーム履歴

設備交換記録

修繕・リフォーム履歴

契約・法的書類

賃貸借契約書原本の所在

契約更新履歴

保険契約状況

新旧管理会社間で円満かつスムーズな引き継ぎができれば、新管理会社は即座に適切な管理業務を開始でき、入居者への影響も最小限に抑えることができます。

そのためには物件の所有者であるオーナーがしっかりかかわることが重要といえ、丸投げしてななあになってしまわないよう、各段階で内容を確認しながら進めていきましょう。

【トラブルなくスムーズに変更したい方は】

以下の記事では賃貸管理会社を変更するとき、トラブルなくスムーズに手続きする手順を解説しています。

スムーズかつより良い賃貸管理会社と契約をしたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。

賃貸管理会社をトラブルなく変更する方法7Step

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  • 契約後に、HPとは異なる一面が見えてくる

  • 料金体系が複雑

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  • 賃貸管理など専門性が高く見極めが難しい

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7. まとめ

賃貸管理会社を変更するときのトラブルについてご理解いただけましたでしょうか。

最後に本記事の要点をまとめていきます。

賃貸管理会社を変更するときに起こりやすいトラブルは、大きく分けて以下4種類です。

これらのトラブルによって経済的損失や、入居者のクレーム・退去が発生する可能性が高まります。

◎賃貸管理会社の変更トラブルを防ぐには丸投げせずに「オーナーが引き継ぎを管理する」ことが重要です。

本記事を参考に、あなたがトラブルなく賃貸管理会社を変更できることを祈っています。

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Author

戸谷 太祐

戸谷 太祐 TAISUKE TOYA

株式会社エイムプレイス 社外取締役

1981年5月9日生まれ

「いざ貸す」では、記事の発信やマッチングの仕組みを通して、初めての方でも安心して比較・検討できる環境を提供することにこだわっています。オーナー様が自ら納得しながら判断できることが、安定した賃貸経営の第一歩だと考えています。

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