【一棟オーナーの実態調査2026】満室なのに、なぜ管理会社を探すのか?賃貸査定1,434件から見る相談のきっかけ
満室なら、管理会社を探す必要はないのでしょうか。
賃貸管理一括査定サービス「いざ貸す」に寄せられた一棟アパート・マンションの査定依頼を集計すると、
満室物件の依頼686件のうち、71.6%が「管理体制の見直し」に関する相談でした。

空室がある物件の依頼では49.2%で、相談の内訳には22.4ポイントの差があります。
全1,434件で最も多かった利用目的は「今の管理会社に不満がある」の24.1%。
管理プランの提案、管理費、管理会社探しなどを含む6項目を
「管理体制の見直し」として整理すると、59.6%を占めました。
いざ貸すには、一棟物件の空室を埋めたいという相談に加え、現在の管理内容を確かめたい、
賃料や管理プランを比較したいという依頼が寄せられています。
本記事では、2025年9月1日〜2026年8月31日の登録データから、
一棟オーナーが管理会社や管理プランを検討するきっかけを見ていきます。
※本調査は、いざ貸すへの査定依頼の傾向を示すものです。全国の一棟オーナー全体の傾向や、
管理会社を探す人の割合を示すものではありません。「管理体制の見直し」の分類は本文で説明します。
今回の調査でわかった3つのこと

満室物件の査定依頼でも、71.6%が「管理体制の見直し」。
空室のある物件の依頼では49.2%でした。
全体で最も多い利用目的は「今の管理会社に不満がある」24.1%。
管理に関する6項目をまとめると855件・59.6%でした。
相談の入口はエリアでも異なる。東京都では「いくらで貸せるのか知りたい」が23.6%で最多。
その他エリアでは「今の管理会社に不満がある」28.0%に続き、「空室なので早く貸したい」が26.5%でした。
調査概要

項目 | 内容 |
調査名 | 一棟アパート・マンションのオーナー実態調査2026 |
調査主体 | いざ貸す(株式会社エイムプレイス) |
調査対象 | 調査期間中に、いざ貸すで賃貸査定登録が完了した一棟アパート・マンションの査定依頼1,434件 |
調査期間 | 2025年9月1日〜2026年8月31日 |
集計日 | 2026年9月10日 |
調査方法 | サービス利用時の査定登録データの集計分析 |
利用目的の回答方法 | 単一選択 |
空室に関する集計対象 | 総戸数・空室戸数がともに有効な1,408件 |
集計単位は査定依頼の「件数」です。人数や、重複を除いた建物数を示すものではありません。
入力区分上、一棟アパートと一棟マンションは分けていません。
また、賃貸開始や管理契約の成否は確認していないため、成約件数・管理会社の変更件数ではありません。
調査期間中の月別の依頼件数は99〜138件でした。
最少は2025年12月の99件、最多は2026年1月の138件で、
特定の月に偏った集計ではありません。
満室なのに、なぜ管理会社を探すのか?
空室に関するデータが有効な1,408件を分けると、満室物件の依頼は686件、
空室が1戸以上ある物件の依頼は722件でした。
満室物件の依頼では、「管理体制の見直し」に分類した相談が71.6%。
「賃料・可能性の確認」の23.6%も含め、入居状況とは別に、
管理や賃料について検討している様子が見られます。

相談の分類 | 満室物件の依頼(686件) | 空室がある物件の依頼(722件) |
管理体制の見直し | 71.6% | 49.2% |
賃料・可能性の確認 | 23.6% | 17.0% |
空室・稼働の課題 | 0.6% | 29.8% |
※各列の割合は、それぞれの査定依頼件数に対する構成比です。
主要3分類のみを掲載しているため、列の合計は100%になりません。
利用目的と空室戸数は、それぞれの登録内容に基づいています。
個別の回答項目である「今の管理会社に不満がある」に絞っても、
満室物件の依頼では188件・27.4%、空室がある物件の依頼では157件・21.7%でした。
ここからわかるのは、満室物件についても、管理会社への不満や管理条件の検討をきっかけとした査定依頼があるということです。
満室という情報だけで、管理への満足度や収益性までは判断できません。
一方、この調査では、査定を依頼していないオーナーについては把握していません。
そのため、「満室のオーナーほど管理会社を探している」とまではいえません。
比較しているのは、いざ貸すに届いた査定依頼の中での相談の内訳です。
一棟オーナーが賃貸査定を依頼した理由。最多は「今の管理会社に不満」
全1,434件の利用目的を見ると、最多は「今の管理会社に不満がある」で346件・24.1%。
次いで「いろいろな管理プランを提案してほしい」が247件・17.2%でした。
「いくらで貸せるのか知りたい」と「空室なので早く貸したい」は、ともに229件・16.0%で同率3位です。

順位 | 利用目的(単一選択) | 件数 | 割合 |
1 | 今の管理会社に不満がある | 346件 | 24.1% |
2 | いろいろな管理プランを提案してほしい | 247件 | 17.2% |
3 | いくらで貸せるのか知りたい | 229件 | 16.0% |
3 | 空室なので早く貸したい | 229件 | 16.0% |
5 | 管理費を安くしたい | 83件 | 5.8% |
6 | 賃貸管理会社を探している | 80件 | 5.6% |
7 | 賃料の値上げをしたい | 67件 | 4.7% |
8 | 賃料次第で貸すか検討したい | 41件 | 2.9% |
9 | 解約が入ったので次の入居者を探している | 32件 | 2.2% |
10 | 希望する賃料で貸し出したい | 18件 | 1.3% |
11 | 老後(定年後)の安定収入のため | 13件 | 0.9% |
12 | 相続した物件を貸し出したい | 12件 | 0.8% |
— | その他 | 37件 | 2.6% |
上位4項目は計1,051件で、全体の73.3%です。割合は全1,434件に対して算出しています。
管理に関する6項目をまとめると、855件・59.6%

相談の傾向を整理するため、利用目的を次の5つに分類しました。
分類 | 件数 | 割合 | 含めた回答項目 |
管理体制の見直し | 855件 | 59.6% | 今の管理会社への不満、管理プランの提案、管理費の削減、管理会社探し、賃料の値上げ、退去後の募集 |
賃料・可能性の確認 | 288件 | 20.1% | いくらで貸せるか、賃料次第で検討、希望賃料での貸し出し |
空室・稼働の課題 | 229件 | 16.0% | 空室なので早く貸したい |
相続・老後の備え | 25件 | 1.7% | 相続した物件の貸し出し、老後の安定収入 |
その他 | 37件 | 2.6% | その他 |
「管理体制の見直し」は、本調査で6項目をまとめた分類名です。
管理会社の変更を決めた依頼だけでなく、新たな管理会社探しや、
管理条件を知りたい段階の依頼も含みます。
また、管理会社への不満の背景に空室対応の問題がある場合や、
退去後の入居者募集も含まれるため、59.6%を「空室とは無関係な相談の割合」と読むことはできません。
自由記述には、費用・募集・対応についての具体的な相談
利用目的だけではわからない相談の内容を、自由記述の例から見てみます。
相談例(要約) | 物件所在地 |
空室の募集力に不満があり、物件の近くですぐに動いてくれる管理会社を探したい。 | 北海道 |
管理報酬、広告料、原状回復の単価、募集媒体まで比較したい。 | 千葉県 |
遠方に住んでいて連絡が取りづらく、必要書類の提出や家賃の振り込みが滞ることもある。 | 京都府 |
建築中の物件について、管理会社がまだ決まっていないため情報を集めたい。 | 東京都 |
※自由記述の趣旨を保って要約しています。個別の相談例であり、
それぞれの意見が全体に占める割合を示すものではありません。
これらの例には、入居者募集に加え、管理業務の範囲、費用の説明、
日々の連絡や報告など、管理会社を比較する際の具体的な論点が表れています。
現在の委託先への相談だけでなく、これから管理を任せる会社を探す場面でも、
いざ貸すが利用されています。
エリアで異なる相談の入口。東京都では賃料の確認が最多

相談の理由は、物件の所在地によっても異なります。
東京都の査定依頼420件では、「いくらで貸せるのか知りたい」が23.6%で最多でした。
一方、その他エリアの321件では、「今の管理会社に不満がある」が28.0%で最多。
「空室なので早く貸したい」も26.5%で、近い割合となっています。
エリア | 査定依頼件数 | 最も多い利用目的 | その割合 | 「空室なので早く貸したい」の割合 |
東京都 | 420件 | いくらで貸せるのか知りたい | 23.6% | 10.7% |
首都圏3県 | 356件 | 今の管理会社に不満がある | 22.8% | 14.3% |
関西 | 239件 | 今の管理会社に不満がある | 21.8% | 14.6% |
その他エリア | 321件 | 今の管理会社に不満がある | 28.0% | 26.5% |
※利用目的のエリア別集計は、上表の4区分を掲載しています。愛知県98件はこの表には含めていません。
首都圏3県は神奈川県・千葉県・埼玉県、関西は大阪府・兵庫県・京都府を指します。
「その他エリア」は、東京都・首都圏3県・愛知県・関西を除く地域です。
査定依頼が多い都道府県は東京都。上位10道府県で82.1%

物件所在地を都道府県別に見ると、東京都が420件・29.3%で最多でした。
神奈川県163件・11.4%、大阪府129件・9.0%と続き、
上位10道府県の合計は1,177件で全体の82.1%を占めます。
空室がある物件の割合も、地域ごとに異なる

空室データが有効な1,408件で見ると、空室が1戸以上ある物件の依頼は、
東京都で36.4%、その他エリアで69.2%でした。
エリア | 空室データの有効件数 | 空室が1戸以上ある物件の割合 |
東京都 | 415件 | 36.4% |
首都圏3県 | 350件 | 49.4% |
愛知県 | 96件 | 54.2% |
関西 | 235件 | 55.3% |
その他エリア | 312件 | 69.2% |
※この表は「空室がある物件の割合」であり、各地域の平均空室率ではありません。空室データが有効な依頼を集計しているため、利用目的の表とは件数が異なります。
査定依頼の中で見られたこうした違いは、管理会社に相談する際、
物件の所在地や入居状況に合わせて確認事項を整理する手がかりになります。
ただし、地域によって依頼物件の規模や築年数なども異なり得るため、
この集計だけで地域差の原因までは特定できません。
どのような一棟物件から相談が届いているのか

利用目的の背景として、査定依頼された物件の規模・築年数と空室の状況、
依頼者の年代や所有名義も確認します。
総戸数は「5〜9戸」が最多。中央値は8戸
総戸数は5〜9戸が483件・33.7%で最多でした。
1〜4戸の408件と合わせると891件で、9戸以下が62.1%を占めます。中央値は8戸です。
総戸数 | 件数 | 全1,434件に占める割合 |
1〜4戸 | 408件 | 28.5% |
5〜9戸 | 483件 | 33.7% |
10〜19戸 | 345件 | 24.1% |
20〜29戸 | 102件 | 7.1% |
30戸以上 | 89件 | 6.2% |
未回答 | 2件 | 0.1% |
※上表の合計は1,429件です。総戸数が0と登録された5件は、いずれの区分にも含めていません。
一棟と聞いて想像される規模よりも、小さな物件が中心です。
この規模の違いは、次に見る空室率の見え方にも関係します。
築31年以上の物件が44.2%。新築・建築中の相談も

築年数の中央値は29年、平均は25.7年でした。
最も多い区分は築31〜40年の434件・30.3%。
築41年以上の200件と合わせると、築31年以上は634件・44.2%です。
築年数 | 件数 | 全1,434件に占める割合 |
築5年以内 | 211件 | 14.7% |
築6〜10年 | 124件 | 8.6% |
築11〜15年 | 90件 | 6.3% |
築16〜20年 | 107件 | 7.5% |
築21〜30年 | 253件 | 17.6% |
築31〜40年 | 434件 | 30.3% |
築41年以上 | 200件 | 13.9% |
未回答 | 15件 | 1.0% |
築5年以内の211件には、築0〜1年の新築・建築中125件が含まれます。
既存の物件について管理を検討する依頼も、新しい物件を貸し出す前の依頼も含む集計です。
築年数別に空室の状況を見ると、空室が1戸以上ある物件の割合は築41年以上で65.7%と最も高く、
物件単位の平均空室率も29.4%でした。
最も低いのは築11〜20年の14.8%です。
築10年以内の32.5%には、募集前の新築・建築中が含まれます。
※この集計の対象は1,393件です。空室データが有効な1,408件のうち、築年数が未回答の15件を除いています。
空室が1戸以上ある物件は51.3%

空室データが有効な1,408件では、満室が686件・48.7%、
空室が1戸以上ある物件が722件・51.3%でした。
空室率の区分 | 件数 | 有効1,408件に占める割合 |
0%(満室) | 686件 | 48.7% |
1〜24% | 259件 | 18.4% |
25〜49% | 178件 | 12.6% |
50〜99% | 140件 | 9.9% |
100%(全戸空室) | 145件 | 10.3% |
空室率は、各物件の「空室戸数÷総戸数」で算出しています。
各物件の空室率を平均した値は22.7%でした。
全物件の空室戸数の合計を、総戸数の合計で割った数値とは異なります。
全戸空室145件のうち、74件・51.0%は築0〜1年でした。
新築・建築中の物件も含まれるため、「全戸空室」という情報だけで、
長期間入居が決まっていない物件と判断することはできません。
物件単位の平均空室率は、総戸数1〜4戸で32.1%、20戸以上で12.2%でした。
戸数が少ないほど、1戸の空室が空室率に直結します。
4戸の物件で1戸空けば25%になるためで、稼働の良し悪しだけを示す数値ではありません。
家族所有や法人所有の物件からの依頼も

所有名義で最も多い回答は「本人所有」の861件・60.0%。
家族所有や法人所有の物件についての査定依頼も寄せられています。
登録された所有名義 | 件数 | 全1,434件に占める割合 |
本人所有 | 861件 | 60.0% |
家族所有 | 242件 | 16.9% |
法人所有 | 164件 | 11.4% |
その他 | 127件 | 8.9% |
共有 | 40件 | 2.8% |
「共有」には依頼者本人を含む場合があるため、
本人所有以外の回答すべてを「本人が所有していない物件」とは扱っていません。
依頼者の年代は「60代後半以上」が最多
依頼者の年代は、60代後半以上が404件・28.2%で最多でした。
50代以上を合わせると950件・66.2%、40代以上では1,261件・87.9%を占めます。

※年齢は20〜99歳を有効とし、範囲外および未記入の18件は「未回答・無効」としています。
一棟の管理会社を比較するとき、何を確認する?

今回の相談例を踏まえると、管理会社を検討する際には、
管理手数料とあわせて「どこまで、どのように対応してもらえるか」を整理すると、
提案を比較しやすくなります。
以下は調査結果を踏まえた編集部からの確認項目で、調査で測定した成果ではありません。
比較する項目 | 管理会社に確認したいこと |
管理料と業務範囲 | 月々の管理料に含まれる業務と、別料金になる業務は何か |
入居者募集 | 募集方法、問い合わせ・内見の状況、募集条件の見直しをどのように報告するか |
募集時の費用 | 広告料などの金額・条件と、費用が発生するタイミングはどうなっているか |
修繕・原状回復 | 見積もりの内容をどう説明し、工事前の確認をどう進めるか |
日々の対応 | 連絡窓口、報告頻度、現地対応や緊急時の対応範囲はどうなっているか |
賃料の提案 | 査定賃料の根拠と、その条件で募集するための提案は何か |
満室なら、日々の対応や管理費、修繕の進め方など、今の管理で気になる点を整理できます。
空室があるなら、募集の進め方や報告内容もあわせて相談できます。
これから建つ物件では、想定賃料と管理プランを並べて検討することが出発点になります。
一棟アパート・マンションの管理会社探しにも、いざ貸す
いざ貸すは、一棟アパート・マンションの賃料や管理プランを検討したい方が、
物件の条件に合う不動産会社へ無料で査定を依頼し、提案を比較できるサービスです。
今回集計した1,434件も、実際にサービスへ寄せられた一棟物件の査定依頼です。
「今の管理会社の対応が気になる」「管理費と業務内容を比較したい」
「空室の募集方法や適切な賃料を相談したい」。
こうした相談のきっかけを、依頼時に具体的に伝えると、その後の提案を検討する材料になります。
まずは現在の管理内容と気になっていることを書き出し、
物件に合う管理会社や管理プランを確かめてみてください。

いざ貸すは株式会社エイムプレイスが運営しています。
一棟アパート・マンションに加え、分譲マンションや戸建ての査定にも対応しています。
データの見方・引用について

本調査は、サービスへ査定を依頼した物件についての登録データを対象としています。
全国の一棟オーナーや賃貸物件を無作為に抽出した調査ではありません。
利用目的は単一選択です。回答した項目以外の悩みや背景がないことを意味しません。
「相続・老後の備え」1.7%も、相続経験のある依頼者の割合ではありません。
割合は原則として各表に示した件数を分母に算出し、
小数第2位を四捨五入して小数第1位まで表示しています。合計が100%にならない場合があります。
管理体制の見直しなどの分類は、回答された利用目的を本調査で整理したものです。
管理会社の変更や収益改善が実現した割合ではありません。
データを引用する際は、
出典として いざ貸す(株式会社エイムプレイス)「一棟アパート・マンションのオーナー実態調査2026」 と記載し、本記事へのリンクを添えてください。
数値とあわせて、調査期間(2025年9月1日〜2026年8月31日)・対象(査定依頼1,434件)・該当する集計の分母も明示してください。
Author
河上 隼人 HAYATO KAWAKAMI
株式会社エイムプレイス 代表取締役
1980年11月8日生まれ 広島県出身
インターネットメディア事業「いざ貸す」を運営し、不動産オーナーと不動産会社をつなぐ架け橋として活動。効率的で自由度の高い経営スタイルを追求しながら、自らも日々学び続けている。