相続・実家・空き家の活用法

空き家を個人で貸す7つのステップ|注意点も踏まえた上で貸し出そう

河上 隼人 監修者:河上 隼人
空き家を個人で貸す7つのステップ|注意点も踏まえた上で貸し出そう

「空き家を個人で貸すにはどうしたらいい?絶対壊したくないけど、不動産会社のサポートも受けられないからなんとかしたい」

「空き家を個人で貸したい!お金はあまりかけたくないけど、大事な実家だから安全かつ確実に貸したいな」

このように所有する空き家を賃貸に出すにあたって、個人で動く方法がわからずお悩みの方もいるでしょう。

空き家を個人で貸すには以下7つのstepでおこないます。

空き家を個人で貸すための7step!

step(1)

好条件で貸し出すために、どの設備を活かすか決める

step(2)

住める状態にする

step(3)

賃料査定をする

step(4)

入居条件を設定する

step(5)

契約形態を決める

step(6)

入居者を募集する

step(7)

個人間で賃貸契約を結ぶ

この手順を踏めば手放したくない空き家を、不動産会社を介すことなく個人で賃貸借契約を結んで貸し出すことができます。

とはいえ空き家を貸すには注意点もあり、あらかじめ把握しておかなければ家賃滞納や災害時の金銭的損害を被る可能性があるだけでなく、

「こんなはずじゃなかった!とっても手間やお金がかかる…」といった後悔にもつながる可能性があります。

それゆえ、事前に空き家を貸すにあたって注意点を把握しておくことが必要不可欠です。

そこで本記事では、空き家を個人で貸す方法について、安全に貸すための注意点とともに解説します。

本記事を読めば、空き家を貸すときのベストな方法がわかるのでぜひご覧ください。

1. 空き家を個人で貸すstep(1)好条件で貸し出すために、どの設備を活かすか決める

空き家を個人で貸すには、まず好条件で賃貸に出すために現状の設備で何を活かすか決めましょう。

設備が付いているか否かは、賃料や入居者の決定に大きく影響します。

設備を残して賃貸に出すメリット

  • 家具・家電付き物件として2〜3割ほど賃料を高く設定できる

  • 入居者の初期費用負担が軽減されるため、入居率向上につながる

  • 単身者や転勤族など、短期・中期滞在者のニーズに添える

以下のような設備がまだ問題なく使用でき、大きな破損や劣化がなければ残しておくといいでしょう。

残すべき設備一例

  • エアコン、冷蔵庫、洗濯機などの大型家電

  • 照明器具

  • カーテン・ブラインド

  • 収納家具

家具付き物件は2~3割ほど家賃を高く設定することができます。10万円が相場なら12~13万円、15万円なら18~19万円前後と、家賃収入を増やしやすい点も大きな魅力といえます。

設備は基本残置物として残そう

残すことにした設備は、残置物にするか否かを事前に考えておく必要があります。

  • 設備:付帯設備として借主へ提供し、メンテナンス費用は貸主が払う。

  • 残置物:貸主が残した家具や家電を指し、入居後は借主の所有物になる。

基本的にはすべて残置物がおすすめですが、入居者が決まったタイミングで不要との話があれば処分しなければなりません。

このとき費用が発生する場合があることも、把握しておいてください。

また残した設備をどちらに該当させるかは契約書にきちんと明記し、入居者との相違がないようにしましょう。

2. 空き家を個人で貸すstep(2)住める状態にする

設備をどのように残すか決めたら、入居者が住める状態にしましょう。

手順としては不要な家財を捨て、ハウスクリーニングを依頼していきます。

2-1. 不要な家財を捨てる

残す設備以外の不要な家財を、以下の方法で捨てていきましょう。

家財の廃棄手段

詳細

【おすすめ】

不用品回収業者

3〜5万円程度※で、不用品を丸ごと回収してくれる

業者によっては買取もしてもらえ、お金を残せる

フリマアプリ

メルカリやジモティーなどで値段を決めて出品する

自治体の粗大ごみ

自治体のルールに従って処分する

※不用品の量により異なります。

不要な家財を廃棄する場合、自身でやるには時間や手間がかかるので、不用品回収業者への依頼がおすすめです。

どうしても費用をかけたくない場合は、手間や時間がかかりますが、フリマアプリまたは自治体の粗大ゴミを活用しましょう。

2-2. ハウスクリーニングを依頼する

不要な家財を捨てたら、ハウスクリーニングを依頼していきます。

自分で掃除をする場合、必ずしも入居者が居心地良く住めるレベルにできるとは限りません。

約15万円程度かかるものの、専門的な清掃技術や洗剤を使用し、長年放置してきた頑固な汚れをしっかり除去してくれます。

設備としてエアコンを残す場合でも多くのケースで分解洗浄に対応しているので、安心です。

入居後のクレームを避けるためにも空き家の掃除はプロを頼り、ハウスクリーニングを依頼しましょう。

【優先順】外部委託業者の選び方

業者に依頼する場合は、外部委託業者を3~4社ほど見積もり、比較して決めるのがおすすめです。

「ポストにチラシが入っていたから依頼しよう」と単純に判断すると、ぼったくりや不法投棄などに合いかねないので避けましょう。

主に以下の項目をHPで確認してください。

  • 料金が明確である

  • 実績が提示されている

  • 希望する業務範囲がニーズと合う

  • 口コミがいい

  • スタッフの教育が行き届いており、アルバイトを使用していない

  • アフターサービスが付いている

  • 物損時の保険に加入している

  • (不用品回収)一般廃棄物収集運搬許可※を取得している

※一般廃棄物収集運搬許可...一般廃棄物(家庭ごみや事業所から出る一部の廃棄物など)を収集し、処理施設まで運搬するために必要な許可

3. 空き家を個人で貸すstep(3)賃料査定をする

空き家が綺麗に片付いたところで、賃料査定をします。

賃料は自身で自由に決められますが、相場からかけ離れていると入所者が見つかりにくくなってしまうため、専門知識のある不動産会社への依頼がベストです。

不動産会社へ依頼すると立地や築年数、設備状況などを考慮しながら賃料目安を提示してもらえます。

査定方法には、以下の2種類あります。

査定方法

詳細

【おすすめ】

訪問査定

直接物件を訪れて物件内部や周辺環境などを確認する。

評価対象が多いことからリアルな賃料を把握できる。

机上査定

過去のデータや周辺の市場相場をもとに賃料を計算する。

とりあえずの概算で賃料を把握するときに便利。

基本的に、空き家の状況を加味して詳細に分析してもらえる訪問査定をおすすめします。

一方で、机上査定の賃料はあくまで空き家を見ていない、書類上の査定です。

空き家の室内の現状によっては、査定結果より大幅に下げなければならない場合があります。

基本的には訪問査定を選択して、効率的に賃料設定をおこないましょう。

また査定は無料でおこなってくれるので、3~4社の複数社へ依頼して相場感を把握してください。

4. 空き家を個人で貸すstep(4)入居条件を設定する

賃料査定を終えたら、以下のような入居条件の設定をします。

空き家の現状によっては一般的な条件で貸し出せない可能性が高いです。

以下の表を参考に、許容可能な項目から段階的に入居条件を緩和していくと良いでしょう。

一般的な条件

条件例

緩和条件

収入・職業関連

勤続年数

✕

転職頻度が多い

雇用形態

◯

無職以外

月収

✕

家賃の3倍

人間性

トラブル歴

✕

横柄、不潔などNG

滞納歴

✕

家賃や

カードの滞納などNG

属性・年齢

年齢制限

◯

なしや

60歳以上70歳以下OKなど

国籍

◯

同居人数

◯

制限なし

シェアハウス可

契約

敷金・礼金

◯

なし

更新料

◯

相場より3割カット

更新条件(更新頻度)

◯

連帯保証人

✕

必須

管理費

◯

その他特約条項

ペットの可否

◯

多頭飼いOK

楽器の使用可否

◯

法人利用

◯

事務所利用OK

原状回復の詳細な範囲

◯

DIYOK

退去時の清掃費用負担

◯

ただし、すべての項目を緩くしてしまうと賃料滞納や空き家の破損などのトラブルに発展する可能性があります。

上記の表を参考に、緩くすべきではない入居条件については厳しく設定する必要があります。

5. 空き家を個人で貸すstep(5)契約形態を決める

入居条件の次は、契約形態を決めていきます。

貸借契約には主に2種類あり、空き家に自身が住む予定がないのであれば、借主にとって好条件となる普通借家契約にすると、入居者が見つかりやすく賃料も相場を維持できます。

契約方法

詳細

普通借家契約

一般的な契約方法で、通常2年で契約する。ただし借主の希望で契約更新となるため、貸主からの解除は難しい。

定期借家契約

1年や2年など契約時に定めた期間で借主に貸し出し、満期で必ず退去となる。

双方の合意のもと再契約ができる。

〈契約形態の比較〉

普通借家契約

定期借家契約

入居者の

見つかりやすさ

◎

△

契約解除の

柔軟さ

✕

◯

家賃収入

◎

△

8割程度減

〈各契約形式がおすすめの人〉

契約形式

こんな方におすすめ

普通借家契約

  • 長期的に貸し出したい

  • 安定的に家賃収入を得たい

  • 空き家に自分が住む予定がない

定期借家契約

  • いずれ空き家に住みたい

  • 貸し出したい期間が決まっている

いずれ空き家に住むのであれば確実に入居者に退去してもらえる定期借家契約、その予定がなければ普通借家契約を選択しましょう。

6. 空き家を個人で貸すstep(6)入居者を募集する

空き家を貸す準備が整ったところで、入居者を募集していきます。

不動産会社を介さず個人でやる場合、使用できるサイトは以下に限られます。

サイト名

詳細

費用

入居希望者との

やりとり

サポート

ジモティー

地域密着型の無料掲示板サービス

無料

◯

なし

自ら賃貸

大家と入居者の直接取引専門サイト

無料

◯

なし

空き家バンク

自治体が地域の空き家対策を進めるために設置しているサイト

無料

◯

不動産会社を介することもできる

(仲介手数料が必要)

ウチコミ!

大家と入居者の直接取引専門サイト

無料

(成約時は賃料1ヶ月分の仲介手数料)

◯

・内見

・契約業務

ECHOES

(エコーズ)

大手ポータルサイトへ物件掲載できるサービス

有料

・1部屋月額3,300円

(税込)~

・成約時システム利用料 55,000円(税込)

要確認

・内見

・契約書の作成

・条件交渉

オーナーの目的に応じて、これらのサイトを以下のように使い方を分けるといいでしょう。

目的

サイトの活用方法

早く入居者を決めたい

5つすべて

費用をかけたくない

  • ジモティー

  • 自ら賃貸

  • 空き家バンク

安全に決めたい

  • ウチコミ!

  • ECHOES(エコーズ)

長期間放置しており、なかなか人に貨しにくい空き家であれば5つすべてを活用しないと入居者は決まりにくいかもしれません。

ただしジモティーや自ら賃貸、空き家バンクのように、無料かつすべて自分で契約する場合はさまざまな人が利用することから、トラブルが発生する可能性があることも十分理解しておく必要があります。

記事の後半「8-4. 保証会社を必ず使う」でもお伝えしますが、必ず保証会社を利用したうえで入居審査を十分におこない、信頼できる人柄かチェックを怠らないようにしましょう。

誰でもいいからかしてしまおうはトラブルのもと!入居者をしっかり見極めよう

入居者は借りてくれれば誰でもいいというわけではありません。

例え使用しない空き家であってもトラブルなく賃貸するには入居者の見極めが重要です。

以下を重点的にチェックして、該当しない人柄か審査しましょう。

  • 身なり(だらしがない、汚い)

  • 態度(暴力的、横柄、暴言を吐く)

  • 常識の有無(挨拶がない、時間を守れない)

7. 空き家を個人で貸すstep(7)個人間で賃貸契約を結ぶ

入居者が決まったら、個人間で賃貸契約を結びます。

契約書は賃貸借契約のトラブル防止を目的として国土交通省が提供している「賃貸住宅標準契約書」のひな形をもとに作成するといいでしょう。

普通借家契約と定期借家契約それぞれに適した期間設定をおこない、「4. 空き家を個人で貸すstep(4)入居条件を設定する」で決めた基本的な入居条件・特約条項などをすべて明記してください。

空き家をただ貸したいだけで契約書の作成を怠ると、いざトラブルが起きたときは住んでいなくとも所有者であるオーナー自身が後始末をしなければなりません。

契約書は綿密に作り、貸主と合意のうえで結ばないと大きなトラブルを招きかねない!

家賃関連のトラブル:家賃の滞納や遅延から法的手続きへ

物件の管理・修繕問題:設備故障や修繕費用の負担区分、原状回復の範囲の取り決めミスで大きな出費へ

近隣トラブル:ゴミ出しルールや騒音など、借主の生活態度が原因で近隣住民とのトラブルへ

小さなトラブルで話し合いによって解決すればいいですが、場合によっては金銭的費用負担や法的手続きを取らざるを得なくなる場合もあります。

そのため個人間で賃貸契約を結ぶときは慎重に、細かなことでも入居者と確認しながら契約しましょう。

8. 空き家を安全に個人で貸すための注意点

最後に、空き家を個人で貸すための注意点をお伝えします。

  • 貸す前の状態を記録する

  • メンテナンスの必要性を理解しておく

  • 災害時に備えて保険に入る

  • 保証会社を必ず使う

順番に見ていきましょう。

8-1. 貸す前の状態を記録する

空き家を貸すときは、入居者が入る前に状態を記録しておきましょう。

退去時に破損や劣化があったときに記録がなければ判断できず、修繕費がオーナー側の負担となってしまう可能性があります。

責任の所在が判別できないという自体を避けるためにも、写真を撮り、入居者と契約時に目視で確認することが大切です。

このとき活用できるのが、国土交通省が原状回復にかかるガイドラインにて提供している「入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト(例)」です。

出典:国土交通省「原状回復にかかるガイドライン」

入居前の段階でリストを作成しておくと、退去時にトラブルになることを防げるので、ぜひ活用してください。

8-2. メンテナンス・修理の必要性を理解しておく

空き家を貸す場合はメンテナンス・修理が必ず発生するので、オーナーの対処は避けられません。

「1. 空き家を個人で貸すstep(1)好条件で貸し出すために、どの設備を活かすか決める」にて残置物としておいていった設備は対象外となりますが、以下のようなケースはすべてオーナーの負担で修理することになります。

入居者の故意による傷・汚れはオーナー負担

  • 家具や家電を置いたことでできた床の傷や壁の黒ずみ

  • 寿命による給湯器の故障

  • 自然災害による空き家の破損

費用を抑えて貸し出したい場合でも、生活に支障が出る故障は修理が必要です。数年ごとのメンテナンスが必要なシーンもあるでしょう。

貸したあとは放置することはできないため、空き家の状況は継続して見ていく必要があることを理解しておいてください。

8-3. 災害時に備えて保険に入る

空き家を貸すときは災害時に備え、保険に入りましょう。

空き家の入居者が火災保険に入るイメージがありますが、あくまでも入居者自身が家財や火事を起こしてしまったときの大家への補償です。

入居者に過失がない損害は建物を所有するオーナー自身で対応しなければならないため、火災や自然災害などに備えなければなりません。

「ほけんの窓口」や「保険見直し本舗」など、保険相談窓口を活用して相談してみましょう。

8-4. 保証会社を必ず使う

空き家を賃貸に出すとき、保証会社を必ず使うようにしてください。

保証会社を利用すると連帯保証人代わりになり、万が一家賃滞納が起きた場合でも建て替えて支払ってもらえます。

また保証会社自ら以下のような入居者審査もおこなってくれるため、安心して入居者に貸し出せます。

  • 過去に滞納がない

  • 安定収入を見込める

  • 収入の基準を満たしている

  • 勤務状況が安定している

保証会社を利用するときは、以下のポイントを押さえておくと安心です。

保証会社の利用時のポイント

詳細

信販系の保証会社を選ぶ

クレジットカードサービスを提供している会社。審査の難易度が高い。

例)

  • 株式会社アプラス

  • 株式会社エポスカード

  • オリエントコーポレーション

家賃債務保証業者に

登録している保証会社を選ぶ

一定要件を満たし、国に登録された会社。

(出典:国土交通省「登録家賃債務保証業者一覧」)

書面交付や重要事項説明などルールの遵守が義務づけられているので安心。

連帯保証人を立てていても、必ずしも家賃滞納時に支払ってくれるとは限りません。

かならず保証会社を利用して、リスク回避をしましょう。

不動産会社に断られた人でもチャンスはある!いざ貸すで再チャレンジ

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9.まとめ

空き家を個人で貸す方法について、ご理解いただけましたでしょうか。

最後に、本記事の要点をまとめていきます。

◎空き家を個人で貸すには、以下の7stepでおこないます。

空き家を個人で貸すための7step!

step(1)

好条件で貸し出すために、どの設備を活かすか決める

step(2)

住める状態にする

step(3)

賃料査定をする

step(4)

入居条件を設定する

step(5)

契約形態を決める

step(6)

入居者を募集する

step(7)

個人間で賃貸契約を結ぶ

◎空き家を個人で貸すための注意点は、以下のとおりです。

  • 貸す前の状態を記録する

  • メンテナンスの必要性を理解しておく

  • 災害時に備えて保険に入る

  • 保証会社を必ず使う

本記事を読んで、あなたが空き家を貸し出すことができれば幸いです。

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Author

河上 隼人

河上 隼人 HAYATO KAWAKAMI

株式会社エイムプレイス 代表取締役

1980年11月8日生まれ 広島県出身

インターネットメディア事業「いざ貸す」を運営し、不動産オーナーと不動産会社をつなぐ架け橋として活動。効率的で自由度の高い経営スタイルを追求しながら、自らも日々学び続けている。

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