転勤・海外赴任時の家の扱い

家を買ったら転勤になった!みんなはどうした?状況別の選択肢4つ

見村 奏太 監修者:見村 奏太
家を買ったら転勤になった!みんなはどうした?状況別の選択肢4つ

「家を買ったばかりなのに、転勤が決まってしまった…どうすればいい?」

そんな状況に戸惑い、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

「家はどうする?」「家族は引っ越すべき?」と、不安や疑問が一気に押し寄せていることでしょう。

家をどうするか主な選択肢としては、以下の4つ挙げられます。


  • 家族はそのまま住み続け、本人のみが単身赴任する

  • 家を賃貸に出して収入を得る

  • 家族全員で引っ越し、住宅を売却する

  • すぐには活用せず、空き家として維持する


その中でも、2023年に実施された「おうち売却の達人」の、「転勤内示が出たときに持ち家をどうしたか?」のアンケート結果によると、最も多い選択肢は「単身赴任」でした。

単身赴任は、家を維持しつつ家族の生活も優先できるため、多く選ばれています。


しかし、転勤の期間がどの程度か、家族の生活環境をどう考えるかなど、状況によって最適な選択は変わってきます。


この記事を読むことで、転勤時に考えられる選択肢が整理でき、状況に合った方向性を見つけやすくなるはずです。


記事の後半では、よくある疑問にも回答しているので、ぜひ最後まで読み進めてください。

1.家を買ったら転勤…みんなどうしている?【アンケート結果】

突然の転勤を告げられどう選択すればいいかわからず、「みんなどうしているの?」と疑問に思っていますよね。


実は、アンケートによると多くの人が「単身赴任」を選択しています。


不動産売却専門企業である株式会社南勝による「おうち売却の達人」の調査によると、転勤を1回経験した人が家をどうしたかのアンケートで、以下の結果が出ています。


  • 単身赴任した:52.4%

  • 空き家にした:32.6%

  • 賃貸に出した(普通借家契約+定期借家契約):7.5%

  • 売却した:7.5%

参考:PR TIMES「【転勤経験者に聞いた!】転勤とマイホーム 会社員の半数弱が転勤経験あり 内示が出た時に住んでいた家は「持ち家」が半数以上 ~ 転勤が決まった時の確認事項と4つの選択肢 ~ | 株式会社南勝のプレスリリース」


つまり、転勤を経験した人の約半数が単身赴任を選んでいるという結果です。


本章では、アンケート結果を受けて、次の内容を整理します。


  • 最も多いのは「家族はそのまま住み、本人が単身赴任」で約半数

  • 2番手は「空き家として維持する」で30%程度

  • 「賃貸に出す」のは7.5%程度

  • 「売却する」も7.5%程度


以降で詳しく見ていきましょう。


【本調査について】

調査期間:2023年3月6日

調査手法:インターネット調査

調査対象:世帯年収500万円以上で建設、金融・証券・保険、不動産、サービス、運送・輸送、商社・卸売り・小売業勤務の子どものいる既婚会社員(正社員)男性全国

調査年齢:30歳以上50歳未満

サンプル数:2,993人

調査機関:Freeasy


モニター抽出方法:インターネット調査用パネルからランダムに抽出


1-1.最も多いのは「家族はそのまま住み、本人が単身赴任」で約半数

転勤時に最も多く選ばれているのは、家族はそのまま家で生活し、辞令が出た本人のみ転勤先に移る「単身赴任」です。

前述の調査によると、転勤経験者のうち約半数が単身赴任を経験していることがわかります。


「せっかく買った家を残したいが、家族の生活は変えたくない」という気持ちが大きいようです。


独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、国内転勤で単身赴任を選んだ理由には以下が挙げられています。


  • 持ち家があったため: 48.0%

  • 子の就学・受験のため: 44.5%

  • 配偶者が働いていたから:26.2%

  • 家族が地元を離れたくなかったから:15.3%


参考:転勤に関する個人 web 調査 独立行政法人 労働政策研究・研修機構


転勤時に実際に単身赴任を選んだ人からは、


  • 「子どもの学校や生活を優先すると引っ越しは難しく、自分だけが単身赴任することにした」

  • 「共働きで配偶者も仕事を辞められないため、家族はそのままで単身赴任を選んだ」


といった意見が出ています。


このように、せっかく買った家を残しつつ、家族の生活も優先して、単身赴任を選ぶ家庭が多いようです。


【本調査について】

調査実施時期:2016年9月15日~9月20日

調査方法:インターネット調査(スクリーニング調査・本調査)

調査対象者:調査会社に登録しているインターネット調査登録モニター

調査対象

  • 全国の年齢(25 歳以上 60 歳以下)の正社員(農林漁業・公務を除く)。

  • 楽天リサーチ株式会社の登録モニターを対象にスクリーニング調査を実施し、上記の正社員に調査対象を限定(該当する調査対象のみが本調査に回答する方式)。

  • スクリーニングの基準は回収全体で 12,000 サンプル以上の収集を目標としている。

配信数及び回収数

  • 配信:130,856 件

  • 回収数:本調査:11,998 件(SC:50,097 件)

調査機関:楽天リサーチ株式会社


1-2.2番手は「空き家として維持する」で30%程度

続いて、アンケート結果によると、転勤時の持ち家を「空き家のまま維持する」という回答は3割程度です。

一時的な転勤であれば、将来戻ることを前提に「とりあえず残す」という判断が多いようです。


転勤時に実際に空き家を選んだ人からは、


  • 「転勤が数年で終わる可能性もあるため、いずれ戻る前提でそのまま空き家として残すことにした」

  • 「すぐに売却や賃貸の判断ができず、ひとまず家は維持しながら様子を見ることにした」


といった意見もあります。


一方で「どうするか決められないまま空き家になった」場合には、管理や維持の負担が課題になるケースも見られます。


このように、「とりあえず空き家で残す」といった理由も含め、空き家で維持する人も30%程度いることが分かります。


1-3.「賃貸に出す」のは7.5%程度

転勤先に家族で移り、家を手放さずに「賃貸に出す」のを選んでいるのは、7.5%程度です。

一見、家賃収入が得られるため選ぶ人が多いように思えますが、実情としてはハードルが高い部分もあるようです。


賃貸に出すハードルの高さについて、いま気になる方は、2-3.賃貸に出すでメリットやデメリットをまとめていますのでお読みください。


実際に家を賃貸に出した人からは、


  • 「住宅ローンの負担を考え、空き家にしておくよりも賃貸に出すことにした」

  • 「将来的に戻る可能性は残しつつ、維持費を補うために一時的に貸し出すことにした」


といった意見も見られます。


このように、転勤先へ家族で移り、家を賃貸に出す選択をしている人も7.5%程度いることがわかります。


1-4.「売却する」も7.5%程度

買った家を手放すという「売却」を選ばざるを得ない家庭も7.5%いるとの結果が出ています。

長期間の転勤だとわかっている場合や、住まない家の住宅ローンや維持費を払うことの難しさによる判断も見られます。


売却を決めた人の中には、


  • 「転勤が長期になりそうで戻る見込みがないため、思い切って売却を選択した」

  • 「住宅ローンや維持費の負担を考え、この機会に家を手放すことにした」


といった意見もあります。


このように、せっかく買った家ではありますが、売却という選択をしている人も7.5%程度いることがわかります。

2.家を買ったあとに転勤になったときの主な選択肢


前述のとおり、家を買ったあとに転勤になった場合の選択肢は主に4つあります。


家を買ったら転勤になった場合の選択肢4つ

  • 単身赴任する

  • 空き家として維持する

  • 賃貸に出す

  • 売却する


それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるため、状況に合わせて検討することが重要です。

本章では、それぞれの方法について詳しく解説します。


2-1.単身赴任する

家族がそのまま家に住み、転勤辞令の出た本人のみが転勤先へ移るのが「単身赴任」です。

単身赴任は子どもの学校や配偶者の仕事など、生活の基盤を変えずに済むため、多く選ばれています。


メリットは次のとおりです。


単身赴任のメリット

  • 子どもの転校を避けられる

  • 配偶者が仕事を続けやすい

  • マイホームをそのまま保有・維持できる

  • 住宅ローン控除を継続して受けられる


一方で以下のようなデメリットもあります。


単身赴任のデメリット

  • 二重生活になり生活費が増える

  • 家族と離れて暮らす負担がある

  • 住宅ローン控除継続に必要な要件や手続きがある


このようなメリットデメリットを踏まえると、単身赴任が選ばれやすいのは、次のようなケースです。


単身赴任が選ばれやすいケース

  • 転勤が数年以内の可能性がある

  • 子どもが学校に通っている

  • 配偶者の職場が転勤やリモート対応できない


このように、家族の生活を優先したい場合には単身赴任という選択肢が多く選ばれています。


2-2.空き家として維持する

家族で転勤先へ移り、家はそのまま維持するのが「空き家として維持する」方法です。

空き家として維持する方法は、比較的短期間の転勤で選ばれています。


賃貸や売却をせずに将来そのまま住めるため、空き家として残す選択をする人もいるようです。


空き家にするメリットは、主に以下のとおりです。


空き家にするメリット

  • 将来そのまま住める

  • 手続きが楽

  • 家族が離れ離れにならない


一方で、空き家には以下のようなデメリットもあります。


空き家のデメリット

  • 住宅ローンや固定資産税など出費は続く

  • 劣化が進む可能性があるため空き家の管理が必要

  • 防犯上のリスクがある

  • 住宅ローン控除が空き家の期間は適用されなくなる


転勤の期間が長ければ長いほど、空き家として残す選択肢は費用面で苦しくなる傾向があります。そのため、転勤期間が比較的短い場合(あるいはまだ転勤期間が不明)に多く選ばれる選択肢といえるでしょう。

2-3.賃貸に出す

家族で転勤先へ移り、家を人に貸し出すのが、「賃貸に出す」方法です。

家を賃貸に出す方法は、家を手放さず「活用」できる選択肢です。

転勤期間中に家賃収入を得ることで住宅費の負担を軽減できる可能性があります。


賃貸に出すメリットには、主に以下が挙げられます。


賃貸に出すメリット

  • 家賃収入が得られる

  • 家を資産として維持できる

  • 空き家管理の負担を減らせる

  • 「空き家で管理」と比較して、防犯リスクが低い


一方で、賃貸に出すには以下のようなデメリットもあります。


賃貸に出すデメリット

  • 入居者募集や管理の手間がある

  • 修繕費がかかる場合がある

  • 空室リスクがある

  • 住宅ローン控除が受けられない

  • ローン契約上、条件変更や借り換えが必要になる可能性がある


このようなメリットデメリットを踏まえると、賃貸が選ばれやすいケースは、主に以下が挙げられます。


賃貸が選ばれやすいケース

  • 転勤が長期間になる

  • 将来その家に戻る予定がある

  • 賃貸需要がある地域に家がある


このように、マイホームを収入源としても活用したい場合には賃貸という選択肢も検討されています。


なお、空き家にする場合と賃貸に出す場合は、住宅ローンを維持できるかは金融機関判断で個別に異なるため、必ず金融機関に確認しましょう。

2-4.家を売却する

家族ごと引っ越し、家を売却するのが「家を売却する」方法です。

せっかく買った家を売ってしまう選択肢ですが、長期の転勤や戻らないことが分かっている場合には選択せざるを得ない人もいます。


売却の主なメリットは以下です。


売却のメリット

  • 家の管理が不要になる

  • 住宅ローンを整理できる

  • 新しい生活を始めやすい


一方で、売却のデメリットは以下のとおりです。


売却のデメリット

  • 売却タイミングや需要によっては損失が出る

  • 将来戻ることはできない

  • 売却に時間がかかる場合がある

  • 住宅ローン控除期間中に売却すると、将来的な節税メリットがなくなる


このようなメリットデメリットを踏まえると、売却は、以下のケースで選ばれやすいといえるでしょう。


売却が選ばれやすいケース

  • 転勤期間が長期間になることがわかっている

  • 将来、現在の場所へ戻る予定がない

  • 家族全員で転勤先へ移ると決めている


なお、一般的に持ち家の売却には現金をすぐに入手できるメリットがありますが、家を買ってすぐの売却は、住宅ローンの残債に対して売却金額が低くなってしまう可能性があるため、注意が必要です。


このように、生活拠点を完全に移す場合は、売却も選択肢になります。

3.家を買ったあとに転勤になったら整理すべき5つのポイント


メリットやデメリットがわかっても、実際には何を考えて決めるべきか悩む人は多いものです。


何から始めればいいかわからない場合はまず、マイホームの扱いを決める前に本章で紹介する5つのポイントを整理しましょう。


家を買ったら転勤になった場合の5つの整理ポイント

  • 転勤期間はどれくらいか

  • 会社に転勤支援制度はあるか

  • 配偶者の収入に影響があるか

  • 子どもの転園・転校を検討できるか

  • 将来その家に戻る予定があるか


上記を整理することで、家族にとってベストな方法は何か、判断しやすくなります。

以降で詳しく解説します。

3-1.転勤期間はどれくらいか

まず確認すべきなのは、転勤の期間です。

期間によって適した対応が変わるためです。


一般的には、以下のように「5年」を基準にして選択することが多い傾向にあります。


転勤期間の目安

  • 5年未満 → 家を残す選択

  • 5年以上 → 賃貸や売却を検討


そこで、ここではなぜ「5年」が基準になるのかを理解するため、家の維持費の年数別コストシミュレーションをしてみましょう。


前提は以下の通りです。


住宅ローン返済

月10万円

固定資産税など維持費

年間15万円(約1.2万円/月)

合計

月約11.2万円


【ケース1:転勤期間が3年程度の場合】

転勤期間が3年程度で、家を維持すると仮定すると、


約11.2万円 × 36か月 = 約403万円 


となり、3年間で約400万円もの負担になります。


約400万円程度の金額は、一般的な家庭の年間生活費に近い水準の金額です。

一定の負担はあるものの、転勤期間が3年程度の場合には、家を維持するという選択をする家庭も少なくありません。


【ケース2:転勤期間が5年程度の場合】

次に、転勤期間が5年程度で、家を維持すると仮定すると、


月約11.2万円 × 60か月 = 約672万円


となり、600万円を超える負担になります。


これは、私立大学の学費(4年間)に近い水準の金額です。

毎月では約11万円でも、使っていない家にこれだけのコストをかけ続けることになり、家計への影響も決して小さくありません。


【ケース3:転勤期間が8年程度の場合】

続いて、転勤期間が8年程度で、家を維持すると仮定すると、


月約11.2万円 × 96か月 = 約1,075万円


となり、8年で約1,000万円の負担となります。


1,000万円あれば老後資金として積み立てることもできる金額であり、家計にとって大きな負担であると言えるでしょう。


このように、転勤が長期間になり5年を超えると、住宅を使わないまま維持するコストの大きさが許容できなくなり


  • 賃貸に出す

  • 売却する


といった選択肢を検討するケースも増えてくるようです。

3-2.会社に転勤支援制度はあるか

会社に転勤支援制度があるか確認することも大事です。

支援制度があれば、転勤によって生じるコストを大きく低減できる可能性があるためです。他の選択肢を検討する際にも、収支シミュレーションは重要になるため、必ず確認しておきましょう。


例えば単身赴任の場合、会社によっては以下のような手当が支給されることがあります。


転勤支援制度の例

  • 単身赴任手当

  • 家賃補助

  • 帰省交通費

  • 転勤一時金・支度金

  • 引越し費用補助

  • 帰省旅費手当

  • 転園・転学手当

  • 地域手当


ここでは、例を挙げながら、単身赴任の生活費の目安について考えてみましょう。

地方都市での単身赴任の生活費用を毎月約11万円だと仮定します。


【地方都市での単身赴任の生活費の例】

項目

1ヶ月の費用目安

家賃

6万円

光熱費

1万円

食費

3万円

通信費

1万円

合計

約11万円


住宅ローンの返済が毎月10万円あるとすると、単純に計算すると毎月の負担は月21万円になります。


【住宅ローンと単身赴任費用の例】

住宅ローン返済

月10万円

単身赴任先の生活費

約11万円

合計

約21万円


ここで、会社から以下のような補助があるケースを想定します。


家賃補助

月6万円


その結果、住宅ローンと家賃補助を合わせた住宅関連の負担は


住宅ローン10万円 + 単身赴任負担5万円(11万円-6万円) = 月15万円程度


に抑えられる可能性があります。


そのため、転勤が決まった場合は、単身赴任手当や住宅補助の内容を確認してみて、シミュレーションに反映させることが大切です。

3-3.配偶者の収入に影響があるか

配偶者の収入への影響があるかもポイントの一つです。

転勤先に家族で引っ越しをしたら配偶者が仕事を変えなければならなくなった場合に、世帯収入が減ってしまうパターンが考えられるためです。


厚生労働省の調査では、以下のように共働き家庭は年々増加しています。

2022年時点では全体1,801万世帯のうち共働き世帯の割合は1,262万世帯で、全体の7割程度です。

参考:厚生労働省「図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移」


【本調査について】

調査期間:毎月末日(12月は20~26日)の1週間

調査方法:調査員が調査票を配布・回収、インターネットまたは紙で回答

調査対象:日本国内の標本約4万世帯、15歳以上の世帯員約10万人

調査範囲:居住人口(外交官・外国軍関係者など一部除外)

調査機関:総務省統計局


よって、転勤で家族ごと引っ越しする場合、正社員で働いていた配偶者が働き方を変えなければいけないケースも多くあります。

ここで、具体的な例を見てみましょう。


【転勤によって妻が正社員からパートになった場合の例】

項目

年収

転勤前(正社員)

400万円

転勤後(パート勤務)

120万円


この場合、世帯収入は

400万円 − 120万円 = 年間280万円の減少


となります。


次に、配偶者の働き方を変えず、単身赴任を選んだ場合のコストを考えます。


【単身赴任のコスト】

項目

1ヶ月の費用目安

家賃

6万円

光熱費

1万円

食費

3万円

通信費

1万円

合計

約11万円


上記の例で計算すると、年間では約132万円程度の生活費が必要になります。


では続いて、どちらが家計に有利かを考えましょう。


転勤で仕事を変えた配偶者の収入減

▲280万円/年

単身赴任コスト

▲132万円/年


となるため、単身赴任のほうが年間約148万円家計への影響が小さい計算になります。


この事例の場合だと、単身赴任が不利になるのは、単身赴任コストが年間280万円以上になる場合です。

月額にすると


280万円 ÷ 12 = 約23万円


となり、


・単身赴任コスト 月23万円未満 → 単身赴任の方が家計に有利?・単身赴任コスト 月23万円以上 → 家族で引っ越した方が有利


という目安になります。


このように、配偶者の収入の影響を考えて判断するのも大事なポイントです。

3-4.将来その家に戻る予定があるか

せっかく買った家を手放したくない気持ちが強くても、将来その家に戻る選択肢があるかで判断するのも大切です。

将来的にその場所へ戻る予定がなければ、維持費だけが膨らんで家計に大きく影響してしまう可能性があるためです。


したがって、


  • 戻る予定あり → 単身赴任、空き家、賃貸などで家を残す

  • 戻る予定なし → 売却を検討


といった選択をすると良いでしょう。


ここで、具体的な例を挙げてみましょう。


【将来地元に戻る予定があり、家に戻る可能性がある場合】


  • 転勤先:大阪

  • 持ち家:東京

  • 夫婦ともに実家は東京で、お互いの親の介護もあるためいずれは東京に戻る予定


この場合には、空き家で維持したり、賃貸に出して家を残したりといった判断が選ばれるケースがあります。


【生活拠点が完全に転勤先に移り、将来的に家に戻る予定がない場合】


  • 小学校入学直前など転勤先で子どもがスムーズに進学できる

  • 両親の介護は既に終わっている

  • 配偶者が資格を持っているため、転勤しても配偶者の仕事も安定しそう


このような場合は、持ち家を売却して転勤先で住み替えることも、やむを得ない選択肢として考えられます。


このように、将来その家に戻る予定があるかどうかを考えてみると、選択肢を整理できることがあるでしょう。

3-5.子どもの転園・転校を検討できるか

転勤になった際にどうするかは、子どもの転園・転校への影響も重要な判断材料になります。

子どもにとって転園や転校は環境の変化も大きく、マイナスの影響を与えてしまうこともあるためです。


実際に、子どもがいる家庭では、家族全員で引っ越さずに単身赴任を選ぶ割合がやや高くなるという調査結果もあります。


ソニー生命の調査では、「自身が転居を伴う転勤になったらどうするか」という質問に対し、子どもがいる人の方が単身赴任を選ぶ割合が高くなりました。


自身が転居を伴う転勤になったらどうするか

  • 子どもがいる人:単身赴任する 24.7%

  • 子どもがいない人:単身赴任する 20.3%

参考:ソニー生命保険「20代・30代共働き夫婦の生活意識調査2025」


また、「配偶者が転居を伴う転勤になったらどうするか」という質問でも、子どもがいる家庭の方が単身赴任を選ぶ傾向が見られます。


配偶者が転居を伴う転勤になったらどうするか

  • 子どもがいる人:単身赴任してもらう 28.9%

  • 子どもがいない人:単身赴任してもらう 19.3%


参考:ソニー生命保険「20代・30代共働き夫婦の生活意識調査2025」


これには、次のような理由が挙げられるでしょう。


子どもがいる家庭が単身赴任を選びやすい理由

  • 子どもの転校による学習環境の変化

  • 友人関係への影響

  • 受験や進学のタイミング


このように、子どもの生活への影響を考えて家族は残り、本人のみ単身赴任する選択をする家庭も少なくありません。


住宅の問題だけでなく、子どもの教育や生活環境への影響も含めて検討することが大切です。


【本調査について】

調査期間:2024年11月15日~11月26日

調査方法:インターネット調査

調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の有職の配偶者(20歳~39歳。事実婚含む)がいる20歳~39歳の有職者(※)※会社員、会社役員・経営者、公務員・団体職員、専門的職業、自営業・自由業、パート・アルバイト

調査地域:全国

有効回答数:1,000サンプル(有効回答から男女・各年齢層が均等になるように抽出)

調査協力会社:ネットエイジア株式会社


4.転勤で買った家をどうするか迷ったら、まずはプロに相談しよう



ここまで、家を買った後に転勤になった時の選択肢や整理ポイントをお伝えしてきましたが、後悔しない判断をするためには、まずはプロに相談することがおすすめです。


後悔しない判断をするためには徹底したシミュレーションが欠かせませんが、転勤前でなかなかまとまった時間を確保することは難しいでしょう。


実際にシミュレーションをするためには、次のような情報を確認して、「家を貸した場合の家賃目安」「売却した場合の価格」「維持した場合の費用」などを算出しなければなりません。


方法を比較する際に確認したい情報の例

  • 周辺エリアの賃貸相場

  • 賃貸需要(入居者が見つかりそうか)

  • 現在の住宅の売却価格の目安

  • 住宅ローン残高

  • 管理や修繕にかかる費用


プロであれば、これらの情報をもとに賃貸・売却・維持といった選択肢についてアドバイスを受けることができます。


ただし、不動産会社によって得意分野や提案のスタンスは異なるため、必ずしもすべての選択肢を網羅的に比較してもらえるとは限りません。


1社の意見だけで判断するのではなく、複数の会社に相談したり、比較の視点を持ったうえで情報を整理することが大切です。

賃貸管理会社の一括比較なら「いざ貸す」

「賃貸も検討したいけれど転勤まで時間がないため自分で調査できない」「どこに問い合わせればいいかわからない」「複数検討したいけど個別に問い合わせるのが面倒」という方は、ぜひ、一括で賃貸管理会社に問い合わせできる「いざ貸すをご活用ください。


「いざ貸す」は、10年以上の運営実績があり、累計11万人超が利用する賃貸査定サイトです。特定の管理会社を推薦するのではなく、中立的に不動産会社を比較できるサービスとなります。


提携している全国650社以上の優良不動産会社の中から、オーナー物件の条件に応じて最大6社から提案が届くのが特徴です。


オーナー様は完全無料で利用できますので、安心してお気軽にお問い合わせください。


5.家を買ったあとに転勤になったときのよくある疑問(Q&A)


ここでは、マイホーム購入後に転勤が決まった場合によくある疑問を解説します。

5-1.Q1.転勤期間が未定の場合はどうするべき?

転勤期間が未定の場合は、すぐに売却を決めるのではなく、まず様子を見るケースが多いです。

短期間で戻る可能性がある場合、売却してしまった家を取り戻すことも難しいものです。

また、売却後に新しい家を買う場合には、また住宅ローンを組まなければなりません。


転勤期間が未定の場合、次のような対応を取る家庭が多く見られます。


転勤期間が未定の場合の選択肢

  • 家族はそのまま住み、本人が単身赴任

  • 空き家としてしばらく様子を見る

  • 一時的に賃貸に出す


このように、転勤期間がはっきりしない場合は、柔軟に対応できる方法を選ぶ家庭が多いです。


5-2.Q2.住宅ローンが残っていても家を貸せる?

住宅ローンが残っている場合でも、条件によっては賃貸に出せることがあります。

ただし、多くの住宅ローンは「自己居住用」を前提としているため、金融機関の許可が必要になります。


確認しておきたいポイントは次のとおりです。


住宅ローンが残ったまま賃貸したい場合の確認すべきポイント

  • 金融機関への事前相談

  • 転勤による一時的な賃貸かどうか

  • ローン契約の条件


無断で賃貸に出すと契約違反になる可能性もあるため、必ず金融機関に確認しておくことが重要です。


5-3.Q3.家を貸して、あとで戻って住める?

賃貸契約の内容によっては、将来戻って住むことも可能です。

一般的な賃貸である「普通借家契約」は、入居者の居住権が強くなっています。

契約期間が終わっても更新されることが多いため、貸主の都合だけで退去してもらうことは難しいとされています。


将来その家に戻って住む可能性がある場合は、「定期借家契約」の利用がおすすめです。

定期借家契約であれば契約期間満了で契約が終了するため、転勤が終わった後に自宅へ戻ることも検討しやすくなります。


なお、定期借家契約を結ぶ場合は、契約前に書面で説明を行う必要があります。

5-4.Q4.家を売るときは転勤前と後どちらがいい?

状況によって、転勤前と転勤後のどちらが良いかは異なります。

しかし、一般的には手続きの負担を減らしたい場合は転勤前、売却価格を重視する場合は転勤後が良いでしょう。


転勤前に売却する場合には、以下のメリット・デメリットがあります。?

メリット

デメリット

転勤前に売却

  • 引っ越し前に売却手続きをまとめて進められる

  • 転勤後に遠方から売却手続きをする必要がない

  • 住宅ローンや固定資産税などの維持費を早く止められる

  • 空き家管理の手間やコストを避けられる

売却を急ぐ必要があるため、価格交渉で値下げに応じてしまうなど、相場より安く売却してしまう恐れがある

転勤後に売却

  • まず転勤を優先し、落ち着いてから売却活動を始められる

  • 引っ越し準備と売却活動を同時に進める負担を減らせる

  • 売却を急ぐ必要がなく、価格や市場状況を見ながら売却時期を選べる

遠方からの売却手続きの手間や、住宅を維持するコストが掛かる


このように、手続きやコストの負担を減らしたい場合は転勤前、売却価格を重視する場合は転勤後が向いているでしょう。


5-5.Q5.子どもの学校がある場合どうする家庭が多い?

子どもが学校に通っている場合は、家族はそのまま住み、本人だけが単身赴任するケースが多いです。

転校による環境の変化が子どもにとって大きな負担になる可能性があるためです。


特に次のようなタイミングでは転校を避ける家庭が多い傾向があります。


子どもの転校を避けて単身赴任を選ぶタイミング

  • 受験を控えている

  • 学年の途中である

  • 部活動などの活動がある


このように、子どもの教育環境を優先して単身赴任を選ぶ家庭が多いといえます。


6.まとめ

家を購入したあとに転勤が決まると、「マイホームをどうするべきか」と悩む人は少なくありません。


ご紹介してきたように、転勤時のマイホームの対応には主に次の4つの選択肢があります。


◆転勤時のマイホームの対応

  • 家族はそのまま住み、本人が単身赴任する

  • マイホームを賃貸に出す

  • 家族ごと引っ越して売却する

  • 空き家として残す


アンケートの結果は半数以上が単身赴任を選択しているとの結果が出ているものの、どの方法が最適かは転勤期間や家族の状況、家計などによって異なります。

判断に迷った場合は、次のポイントを整理してみましょう。


◆転勤が決まったらまず確認すべきポイント

  • 転勤期間はどれくらいか

  • 会社に転勤支援制度はあるか

  • 配偶者の収入に影響があるか

  • 子どもの転園・転校を検討できるか

  • 将来その家に戻る予定があるか


上記を整理したうえで、賃貸相場や売却価格などの情報も確認すると、自分たちに合った選択肢を見つけやすくなります。


例えば、次のような情報を確認しておくと判断しやすいです。


◆方法を比較する際に確認したい情報

  • 周辺エリアの賃貸相場

  • 賃貸需要(入居者が見つかりそうか)

  • 現在の住宅の売却価格の目安

  • 住宅ローン残高

  • 管理や修繕にかかる費用


方法別のシミュレーションを行うためには、以下を最低限調べましょう。


◆方法別のシミュレーションを行うための最低限の情報

  • 家を貸した場合の家賃

  • 売却した場合の価格

  • 維持した場合の費用


そして、この記事でご紹介したような方法別のシミュレーションを行い、現実的な選択肢を比較することが重要です。


転勤は突然決まることも多く、時間のない中で今後を決めなければいけないため、焦って決めてしまう人も多いものです。

この記事のように、まずは状況を整理して方法別に数値で比較することが、後悔しない判断につながります。

この記事が役に立ったら、
ぜひシェアをお願いします

Author

見村 奏太

見村 奏太 KANATA MIMURA

株式会社エイムプレイス 営業部

1997年7月15日生まれ

インターネットメディア事業「いざ貸す」を運営し、不動産オーナーと不動産会社をつなぐ架け橋として活動。効率的で自由度の高い経営スタイルを追求しながら、自らも日々学び続けている。

この記事に関連する記事

最大6社を比較するから、1番良い条件が分かる。

無料査定スタート