【賃貸併用住宅】よくある失敗例と後悔しないための判断基準7つ

河上 隼人 監修者:河上 隼人
【賃貸併用住宅】よくある失敗例と後悔しないための判断基準7つ

「賃貸併用住宅で後悔することってある?せっかくだから相続した土地を活用したいんだけど…」

「賃貸併用住宅で後悔したくないなあ…ネットにはいろいろ書いてあるけど、実際どうなの?あり得るの?」

このように、賃貸併用住宅を検討している人のなかには、後悔するのではないかと不安になっている人もいるのではないでしょうか。

賃貸併用住宅で後悔するかどうかは、向き不向きで分かれます。

オーナー自身の生活や住まいへの許容範囲や賃貸経営への向き合い方などにより、「賃貸併用住宅は絶対後悔する!しない!」などと一概にはいえません。

たとえば、賃貸併用住宅は入居者との距離の近さがほかの賃貸経営との大きな違いです。

家賃収入に魅力を感じて賃貸併用住宅を始めたものの、入居者と同じ敷地内で暮らすことに気を遣い、想像以上に苦痛に感じて後悔するケースもあるでしょう。

一方で、

という人なら後悔につながりにくくなります。

とはいえ、賃貸併用住宅は入居者とのかかわり合いだけでなく、さまざまな場面で後悔ポイントがあるため、これだけで判断してはいけません。

なんとなくで始めてしまうと資金繰りの悪化やライフプランの練り直しなど、簡単に取り戻せない後悔につながることも。

そこで、本記事ではあなたのケースで賃貸併用住宅を後悔しないよう、以下4つのフェーズで後悔ポイントをお伝えしていきます。

  • 建築時

  • 入居時

  • 賃貸管理・運営時

  • 売却時

本記事を読めばあなたが賃貸併用住宅に向いているかいないか、しっかり判断できますので、ぜひご覧ください。

1.賃貸併用住宅で後悔するかどうかは向き不向きで分かれる

賃貸併用住宅で後悔するかは、「向き不向き」によるところが大きいといえます。

下記のように、許容範囲や好みにより

  • 「買ってよかった」と感じれるか

  • 「後悔」してしまうか

が人により大きく異なるからです。

【買ってよかったと感じやすい場合】

家賃収入を住宅ローンの返済に充てられることや、土地を有効活用できる点は賃貸併用住宅の大きな魅力です。

しかし自宅と賃貸物件が同じ敷地内にある住まいのため、賃貸併用住宅は一般的な戸建住宅とは異なり、入居者の存在を常に意識しながら暮らす必要があります。

そのため

  • 趣味といえるくらい積極的に管理へかかわっていきたい方であり

  • 入居者との距離感を上手にコントロールできる方なら、

賃貸併用住宅を「買ってよかった」と感じやすい傾向です。

【後悔のリスクが高くなりやすい場合】

一方で、知らない人と同じ建物に暮らすことへの抵抗が強い方はもちろん、賃貸併用住宅を自宅のおまけとして収入が入る程度にお考えの方は、後悔しやすい傾向にあるでしょう。

自宅とはいえ入居者の生活音が気になったり、共用部分の使い方に配慮が必要になったりするなど,

完全にプライベートな住環境とはいえない側面が賃貸併用住宅にはあります。

設備トラブルやクレームが発生した場合、すぐ近くに住むオーナーに対応を求められることも想定しておかなければなりません。

以下のような点を許容できなければ、後悔のリスクは高くなるのです。

  • 賃貸経営に一定の関心をもち続けられるか

  • 入居者の存在を常に受け入れられるか

実際に野村不動産アーバンネット株式会社がおこなった不動産投資に関する意識調査では、保有している投資用不動産の種別は一棟アパートがもっとも多く、賃貸併用住宅は5.4%と少数です。

このことからも、賃貸併用住宅は一般的な投資用不動産と比べてなじみが薄く、その特性を十分に理解しないまま始めてしまうと後悔につながりやすいといえます。

次の章からは、賃貸併用住宅でよくある後悔のパターンをフェーズごとに整理していきますので、順番に見ていきましょう。

2.【一覧】賃貸併用住宅で後悔する4つの場面

賃貸併用住宅で後悔する4つの場面を以下にまとめました。

賃貸併用住宅は、自宅と賃貸住宅の両方の性質をもつため、一般的な戸建住宅とは異なる後悔ポイントがあります。

建築時だけでなく、入居後や賃貸運営中、さらには売却時など、さまざまなタイミングで後悔につながるケースも少なくありません。

次の章からは各場面においてどのような後悔につながるのか、見ていきましょう。

3.賃貸併用住宅の後悔(1)建築時

最初は、建築時における賃貸併用住宅の後悔ポイントを見ていきましょう。

  • 自宅の間取りや設備に妥協せざるを得ない

  • 建築費用が高額になりやすい

順番に解説します。

3-1.自宅の間取りや設備に妥協せざるを得ない

賃貸併用住宅では、自分の理想の住まいをそのまま実現できないケースがあります。

賃貸部分の収益を安定させるためには入居者ニーズを無視できず、自宅部分の希望と折り合いをつける必要が生じるからです。

【ポイント】

ただし、もちろん自宅部分を重視した設計にすること自体は可能です。

しかし賃貸部分の間取りや設備が入居者のニーズから外れてしまうと、空室が続いたり収益性が低下したりするリスクがあります。

賃貸経営である以上、入居者に選ばれる物件であることは収益の安定に直結します。

自宅部分だけの都合で設計を進めることは難しいのです。

ここで、賃貸需要を加味した結果、自宅の間取りに妥協して後悔につながる具体例を見てみましょう。

【妥協して後悔する例(1)】

LDKを広く取れない

【後悔】

20畳の広いLDKを希望。

だが、自宅のLDKを16畳程度に縮小せざるを得なかった。

実際に住んでみたら、やはり狭く感じ後悔した。

【解説】

賃貸部分は、入居者ニーズに合った専有面積を確保することが重要です。

面積が不足すると入居者が集まりにくくなる可能性があります。

建物全体の床面積には限りがあるため、賃貸部分の広さを考慮すると、自宅部分の床面積を調整する必要が生じ、LDKの広さを縮小せざるを得ないことがあります。

【妥協して後悔する例(2)】

日当たりの良い1階を自宅にできない

【後悔】

本当は庭付きで利便性の高い1階に住みたかった。

だが、自宅は2階以上に配置することになった。

歳を重ねるうちに階段の上り下りがつらい。

【解説】

1階住戸は階段を使わずに出入りできるため、ファミリー層や高齢者など幅広い入居者からの需要が見込めるケースが多いです。

また専用庭などの付加価値をつけやすく、入居率や家賃の面で有利になるため、収益性を優先して1階を賃貸部分とし、自宅は2階以上に配置することになった一例です。

【妥協して後悔する例(3)】

アイランドキッチンを諦めた

【後悔】

大型のアイランドキッチンを希望していた。

しかし標準仕様のシステムキッチンを採用することになった。

納得はしていたつもりだったが、希望と異なり見るたびに落ち込む。

【解説】

賃貸部分の設備は、入居率や家賃に影響する重要な要素であるため、一定のグレードを確保しなければなりません。

限られた建築予算のなかで賃貸部分の設備を優先した結果、自宅部分の設備仕様を見直す必要が生じることがあります。

このように、賃貸併用住宅では入居者に選ばれる間取りや設備を優先する必要があるため、後悔しないためにも当初の希望どおりに実現できない場合を想定しておきましょう。

3-2.建築費用が高額になりやすい

賃貸併用住宅は、一般的な戸建住宅と比べて建築費用が高くなりやすい点も、建築時に後悔しやすいポイントです。

建築費用の目安として、構造別の坪単価相場は以下のとおりです。

構造

賃貸併用住宅の坪単価

注文住宅の坪単価

木造

約80万円~100万円/坪

約58万/坪

鉄骨造

約90万円~120万円/坪

約90万/坪

RC造(鉄筋コンクリート造)

約100万円~120万円/坪

約92万/坪

【ポイント】

自宅と賃貸部分を一棟に収める構造上、玄関や動線をそれぞれ分ける必要があり、通常の戸建住宅にはない工事が発生します。

また賃貸部分には生活音を遮断するための防音設備や耐火性能が求められることも多く、その分コストがかさみむことも。

さらに建物が大きくなるほど、固定資産税・火災保険料・修繕積立金といったランニングコストも増加する傾向です。

建築費だけでなく、完成後の維持費まで含めた総合的な収支計画が欠かせません。

ここで、建築費用が高額になり後悔につながる例を見てみましょう。

【建築費用が高額になり後悔する例(1)】

ローン返済がきつい

【後悔】

家賃収入があるから建築費用が高くても返済できると思っていた。

しかし実際は空室ができることも多い。

結果的に、持ち出しが発生して支払いがしんどい。

【解説】

賃貸併用住宅は建築費が高額になりやすく、借入額も大きくなるため、ローン返済額が増加します。

家賃収入を前提とした返済計画であっても空室が発生すると収入が減少し、返済の一部を自己資金で補う必要が生じるため、想定以上の負担となる場合があります。

【建築費用が高額になり後悔する例(2)】

自宅設備のランクを落とすことになった

【後悔】

建築費用が高額になったこと。

予算のバランスを取るために自宅部分の設備のランクを下げるしかなくなってしまった。

【解説】

賃貸部分の設備は入居率や家賃に影響するため、一定のグレードを維持しなければなりません。

建築費が想定より高くなった場合、自宅部分の設備仕様を見直すことになり、希望していた設備のグレードを下げざるを得なくなるケースがあります。

このように、賃貸併用住宅は構造や設備の違いから建築費用が高額になりやすい傾向があります。

余裕がない状態から始めると、資金計画に大きな影響を及ぼす場合もあるのです。

  • ローン返済の負担が重くなったり

  • 自宅部分の設備仕様を見直さざるを得なくなったり

など、理想どおりの住まいを実現できない要因となる場合があるため理解しておきましょう。

4.賃貸併用住宅の後悔(2)入居時

つづいては賃貸併用住宅における入居時の後悔ポイントを2つ解説していきます。

  • オーナーが暮らしにくい

  • トラブルやクレームが直接届くことがある

順番に解説します。

4-1.オーナーが暮らしにくい

賃貸併用住宅では、入居者と同じ建物内で生活することになるため、一般的な戸建住宅と比べてオーナーは暮らしにくさを感じる場合があります。

生活空間と賃貸空間の距離が近いことで、入居者の生活音が気になったり、ゴミ出しのときのように日常的に顔を合わせる機会が増えたりするなど、プライバシー面でストレスを感じることがあるからです。

ここでは、オーナーが暮らしにくいと感じて後悔につながった具体例を紹介します。

【オーナーが暮らしにくく後悔する例(1)】

生活音が気になる

【後悔】

自宅の上階に賃貸住戸があり、入居者の足音やドアの開閉音など生活音が気になる。

帰宅が遅いのか23時頃から洗濯機を回すことも頻繁。

一言いいたいがもめるのも嫌で我慢し続けた結果、寝不足でつらい。

【解説】

賃貸併用住宅は同じ建物内に入居者が生活するため、上下階や隣接する位置関係によって生活音が伝わりやすくなります。

防音対策をしていても音を完全に遮断することは難しく、気になっても入居者に直接注意しづらいことからストレスが蓄積し、後悔につながるケースがあります。

【オーナーが暮らしにくく後悔する例(2)】

プライバシーを確保しにくい

【後悔】

外出時や帰宅時に入居者と顔を合わせる機会が多い。

自宅での生活が常に見られているように感じ、落ち着いて過ごせなくなってしまった。

【解説】

賃貸併用住宅では玄関や駐車場などの動線が近いため、入居者と顔を合わせる機会が増え、外出や来客のタイミングなどが自然と知られてしまう場合があります。

その結果、自宅であってもプライバシーを確保しにくく、周囲の目を気にしながら生活することになり後悔につながるケースがあるため、把握しておきましょう。

このように、賃貸併用住宅は戸建住宅のように完全に独立した住環境とは異なります。

入居者と同じ建物内で生活することになるため、生活音や日常的な接触によってプライバシーが保ちにくく、精神的な負担を感じる場合があります。

4-2.トラブルやクレームが直接届くことがある

賃貸併用住宅では、設備の不具合や生活に関する相談などを入居者から直接伝えられる場合があります。

【ポイント】

本来であれば管理会社が対応する内容であっても、オーナーが近くに住んでいることで入居者から直接声をかけられることがあります。

その場で対応を求められるケースも少なくありません。

とくに共用部分や設備の不具合、騒音などの問題は日常生活のなかで発生しやすいです。

オーナーとして対応せざるを得ない場面が生じることもあるでしょう。

ここでは、トラブルやクレームが直接届いたことで後悔につながった具体例を紹介します。

【トラブルやクレームが直接届き後悔する例(1)】

設備の不具合を直接相談された

【後悔】

入居者から「お湯の出が悪い」「エアコンの調子が悪い」などの相談。

帰宅時や休日でも直接対応を求められる。

その場で対応せざるを得ない状況になり、精神的な負担を感じるようになった。

【解説】

賃貸併用住宅ではオーナーが同じ建物に住んでいるため、入居者から設備の不具合や生活に関する相談を直接受けやすい環境になります。

管理会社に管理を委託している場合でも、距離の近さから入居者がオーナーに直接声をかけるケースは少なくありません。

オーナーとして無視することも難しく、その場で対応を求められることがあります。

その結果、プライベートな時間でも気が休まらず、対応が繰り返されることで精神的なストレスが蓄積し、後悔につながることも。

【トラブルやクレームが直接届き後悔する例(2)】

騒音や生活マナーについて板挟みになった

【後悔】

ある入居者から「隣の住人の生活音がうるさい」と直接相談を受けた。

注意の仕方によっては入居者との関係が悪化する可能性も…。

かといって放ってもおけずしんどい。

【解説】

本来は管理会社が対応する内容であっても、オーナーが近くに住んでいることで対応を求められやすくなります。

同じ建物に住んでいるため入居者との関係悪化を避けたい気持ちもあり、強く注意しづらいことから精神的な負担につながることもあるでしょう。

このように賃貸併用住宅では入居者と同じ建物に住んでいることで、設備の不具合や生活上の相談、入居者同士のトラブルなどについて、オーナーに直接声が届きやすくなります。

本来は管理会社が対応する内容であっても、「すぐ近くにいるオーナーに頼んだほうが早い」と対応を求められる場面が増えることがあり、賃貸併用住宅を選んだことを後悔する要因になってしまいます。

5.賃貸併用住宅の後悔(3)賃貸管理・運営時

賃貸併用住宅において賃貸管理・運営時のフェーズにおける後悔ポイントは、以下3つです。

  • 空室が続く

  • 収益性にこだわらないで建ててしまった

  • 自由にリフォーム、改築がしづらい

順番に解説します。

5-1.空室が続く

賃貸併用住宅では、想定どおりに入居者が入らず、空室が続いてしまうことで後悔につながるケースがあります。

【ポイント】

  • 入居者視点
    賃貸併用住宅はオーナーと入居者の距離が近いことから「気まずい」「居心地が悪そう」などと敬遠されることも多く、一般的な賃貸住宅と比べて空室が埋まりにくいことも少なくありません。

    たとえ入居者が決まったとしても、長期的に住んでもらえず、すぐ出て行ってしまうケースもあるでしょう。

  • 貸主(オーナー視点)
    とくに賃貸部分の戸数が少ない場合、1戸空室になるだけでも家賃収入が大きく減少するため、収支に与える影響が大きくなります。

    その結果、ローン返済や維持費の負担が増え、賃貸併用住宅を建てたことを後悔する原因となることがあります。

ここでは、入居者が集まらず後悔につながった具体例を見ていきましょう。

【空室が続き後悔する例(1)】

オーナーが同じ建物に住んでいることを理由に敬遠された

【後悔】

新築なので早く入居者が決まると思っていたが、契約に至らない。

数か月間空室のまま。

不動産会社から「オーナーが同じ建物に住んでいる点を気にする人もいる」と言われ、想定より入居者が集まりにくいことを知り絶望的な気持ちになった。

【解説】

オーナーと入居者が同じ建物内で生活することになるため、「生活を見られているようで気を遣いそう」「生活音や生活マナーに注意されそう」と感じる入居希望者も一定数います。

そのため、一般的な賃貸住宅と比べて入居希望者の対象が限定される傾向があり、空室期間が長引く場合ことも。

空室が続くと家賃収入が得られず、ローン返済や維持費の負担が増加することから、経済的な不安につながります。

【空室が続き後悔する例(2)】

短期間で退去され、再募集費用がかかってしまった

【後悔】

ようやく入居者が決まったものの、期間満了前に退去。

募集のたびに募集費用がかかり、空室期間中は家賃収入も得られないため、経済的な負担が大きく不安になった。

【解説】

入居者によっては生活面で気を遣い、居心地の悪さを感じて早期退去につながる場合があります。

賃貸部分の戸数が少ない場合、1戸退去するだけで家賃収入が途絶えてしまうこともあるでしょう。

さらに、新たな入居者を募集するには、不動産会社への仲介手数料や広告掲載費、ハウスクリーニング費用などが発生します。

短期間で退去と募集を繰り返すと支出が増加し、収益性が低下することで、賃貸併用住宅を建てたことを後悔する原因となる場合があります。

このように、賃貸併用住宅は入居者が集まらない場合、家賃収入が得られずローン返済や維持費の負担が大きくなることがあるのです。

とくに戸数が少ない賃貸併用住宅では、1戸の空室が収支に与える影響が大きいため、経営に打撃を与えやすく、後悔する可能性が高まるため理解しておきましょう。

5-2.収益性にこだわらないで建ててしまった

賃貸併用住宅では、自宅の住みやすさや理想の間取りを優先するあまり、賃貸部分の収益性を十分に考慮せずに建築してしまい、後悔につながるケースがあります。

【ポイント】

賃貸部分は入居者ニーズに合った専有面積や間取り、設備を備えていなければ、入居者が集まりにくくなります。

基本的には、家賃収入を用いて、ローン返済や維持費の一部を補うことが前提です。

収益性を十分に検討しないまま建築してしまうと、想定していた収支計画が成り立たなくなる可能性を否定できません。

ここでは、収益性にこだわらずに建てたことで後悔につながった具体例を紹介します。

【収益性にこだわらず建てたことで後悔する例(1)】

住み心地を優先した結果、家賃収入が想定より少なかった

【後悔】

自宅の広さや間取りを優先して設計。

賃貸部分の面積が小さくなり、想定していた家賃で貸し出すことができなかった。

家賃収入が予定より少ないことで、ローン返済が苦しい。

生活にしわ寄せがいき我慢することが増えて後悔しかない。

【解説】

賃貸住宅では専有面積が広いほど入居者ニーズが高まり、家賃も高く設定できる傾向にあります。

しかし自宅部分の広さや間取りを優先し、賃貸部分の面積が小さくなると、設定できる家賃にも限界が生じます。

その結果、当初の収支計画どおりの家賃収入を確保できず、ローン返済や維持費の負担が想定より大きくなり、経済的な余裕が減少したことが後悔につながりました。

【収益性にこだわらず建てたことで後悔する例(2)】

デザインを優先した結果、入居者ニーズに合わなかった

【後悔】

外観や内装のデザインにこだわって賃貸部分を設計。

しかし、収納が少なく使い勝手の悪い間取りになってしまった。

その影響で入居者がなかなか決まらず、家賃を下げて募集。

想定していた収益を得られなくなってしまった。

【解説】

賃貸住宅では、使いやすい間取りや十分な収納スペースなど、入居者の生活を考慮した設計が重要です。

賃貸部分の機能性が十分に確保されていない場合、入居者に選ばれにくくなることがあります。

その結果、空室が長引いたり、家賃を下げて募集せざるを得なくなったりすることで、安定した収益を確保できず後悔につながるケースがあります。

このように自宅の住みやすさや理想を優先するあまり、賃貸部分の収益性を十分に検討せずに建ててしまうと、想定していた家賃収入を確保できず、収支計画に影響が出かねません。

家賃収入はローン返済や維持費を支える重要な要素であるため、収益性を軽視してしまうと、経済的な負担が増え、後悔につながる原因となります。

5-3.自由にリフォーム、改築がしづらくなる

賃貸併用住宅では、一般的な戸建住宅と比べて、自宅部分のリフォームや改築をしにくくなります。

なぜなら自宅部分であっても、建物全体の構造や入居者の生活に影響を与える工事には制約が生じることがあるからです。

【ポイント】

たとえば、共同住宅の代表例であるマンションを例にすると、専有部分であっても完全に自由にリフォームできるわけではありません。

建物の区分所有等に関する法律 第六条では、建物の管理や他の居住者の利益に反する行為は禁止されており、主要構造部に影響を及ぼす工事などは制限される場合があります。

賃貸併用住宅でも同様に、建物の構造や設備が賃貸部分と一体となっている場合、自宅部分のみを自由に変更できないケースがあるのです。

ここでは、自由にリフォームできず後悔した具体例を紹介します。

【自由にリフォーム、改築がしづらく後悔する例(1)】

間取りを変更したくても構造上できなかった

【後悔】

子どもの成長に合わせて部屋を増やしたい。

しかし間取り変更のリフォームを検討したが、難しいとわかった。

将来を見据えて建てたつもりだったのに…。

思いどおりにリフォームできず、悲しくなった。

【解説】

賃貸併用住宅は自宅部分と賃貸部分が同じ建物構造で支えられているため、壁や柱の位置によっては撤去できない場合があります。

ライフスタイルの変化に合わせて間取りを変更したい場合でも、構造上の制約によって希望どおりのリフォームができず、後悔につながるケースがあります。

【自由にリフォーム、改築がしづらく後悔する例(1)】

リフォームのタイミングを自由に決められなかった

【後悔】

水廻りの老朽化が気になりリフォームを検討。

しかし、賃貸部分に入居者がいる。

工事の騒音や影響を考慮し、すぐに工事をおこなうことができなかった。

不便な状態のまま生活する期間が長くなり、不満を感じるようになった。

【解説】

賃貸併用住宅では、工事による騒音や振動が入居者の生活に影響を与える可能性があります。

リフォームの時期や内容について配慮が必要となり、場合によっては入居者の退去を待たなければならないこともあるでしょう。

結果的に希望どおりのタイミングでリフォームできず、設備の老朽化や不便さを我慢することになり、後悔につながるケースがあります。

このように、賃貸併用住宅では建物の構造や入居者の存在によって、自宅部分であっても自由にリフォームや改築をおこなえない場合があります。

ライフスタイルの変化や設備の老朽化に合わせて住まいを改善したくても、構造上の制約や入居者への配慮から、希望どおりに工事を進められないケースも少なくありません。

賃貸併用住宅の利回りは

通常の賃貸物件よりも低くなりやすい

賃貸併用住宅の利回り(収益性)は通常の賃貸物件よりも低くなりやすいことも知っておきましょう。

利回り=年間の家賃収入÷物件の購入価格×100

建物全体を賃貸として運用するアパートやマンションと異なり、自宅部分が建物の一部を占めるため、賃貸併用住宅の場合は家賃収入の割合が減ってしまう傾向にあります。

結果的に建築費用に対する収益性は、一般的な投資用賃貸物件より低くなりやすい点に注意が必要です。

6.賃貸併用住宅の後悔(4)売却時

最後は、売却時における賃貸併用住宅の後悔ポイントです。

よく見られる後悔は、以下2つです。

  • 売却しにくい

  • 「想定していた将来」が来なかった

順番に見ていきましょう。

6-1.売却しにくい

賃貸併用住宅は、一般的な戸建住宅や投資用アパートと比べて、売却しにくい傾向にあります。

【ポイント】

これは、自宅と賃貸部分が一体となった特殊な物件であるため、購入を検討する人が限られるからです。

自宅として購入するには賃貸部分が不要と感じる人もいれば、投資用としては規模が小さいため収益性が合わないと判断される場合もあります。

ここでは、売却しにくいことで後悔につながった具体例を紹介します。

【売却しにくく後悔する例(1)】

次の住まいの計画に影響が出た

【後悔】

住み替えのために売却を検討。

一般的な戸建住宅よりも問い合わせが少なく、売却までに長い時間がかかってしまった。

売却できた資金を頭金にして次の住宅を購入する予定だったが、思うように進まない。

購入時期を延期せざるを得なくなった。

【解説】

売却資金を次の住まいの購入資金として計画していた場合、売却の遅れによって住み替えのタイミングがずれたり、新居の購入計画を見直さざるを得なくなったりすることもあります。

経済的な負担や計画通りに進まないことへの不安から、後悔につながる原因となります。

【売却しにくく後悔する例(2)】

希望価格で売却できなかった

【後悔】

建築費用を多くかけたため高値で売却できると思っていた。

しかし購入希望者が少なく、最終的には価格を下げて売却することになった。

想定していたよりも売却価格が低くなり、建てなければよかったと思った。

【解説】

不動産の売却価格は、建築費ではなく市場の需要や収益性によって決まります。

需要が少ない場合は価格を下げなければ売却できないことが多く、経済的な損失を感じることから後悔につながりやすくなるでしょう。

このように、賃貸併用住宅は自宅と賃貸部分を併せもつ特殊な住宅であるため、一般的な戸建住宅と比べて売却が容易に進まない可能性があります。

6-2.「想定していた将来」が来なかった

賃貸併用住宅では、「将来の収入」や「家族構成の変化」などを見据えて建築するケースが多いものの、必ずしも計画どおりに進むとは限りません。

【ポイント】

賃貸併用住宅は長期間にわたって使用する住宅です。

家族の意向や生活環境の変化によって、当初想定していた活用方法が実現しないケースも少なくはないでしょう。

ここでは、「想定していた将来」が実現せず、後悔につながった具体例を紹介します。

【「想定していた将来」が来ず後悔する例(1)】

同居が実現しなかった

【後悔】

将来は親と同居することを想定し、賃貸部分を将来的に自宅として使えるよう設計していた。

しかし、親の体調不良から施設入居が決まり、同居は実現しなかった。

自宅部分の広さを優先できなかったにもかかわらず、賃貸部分はそのまま貸し続けることになり、「本当は自宅をもっと広く快適にできたのではないか」と後悔することになった。

【解説】

将来の同居を見据えて設計していても、親の健康状態や生活環境、本人の意向などによって同居が実現しないケースも少なくありません。

同居を前提として自宅部分の間取りや広さを調整していた場合、その前提が崩れることで、後悔につながる原因となります。

【「想定していた将来」が来ず後悔する例(2)】

将来は自宅として使う予定だったが

収益を優先して使えなかった

【後悔】

子どもが独立したあとは賃貸部分を自宅として使い、広い住空間で暮らす予定だった。

しかし、教育費がかさみ貯蓄がほぼない状況。

賃貸部分を空けると家賃収入が途絶えてしまうため、収入を優先してそのまま貸し続けることに。

思い描いていた暮らしを実現できなかったことに気を落とした。

【解説】

ローン返済中や家賃収入を生活費の一部に充てている場合、収入の減少を避けるために賃貸を継続せざるを得ないケースもあります。

その結果、本来想定していた住み方を選択できない可能性が生じかねません。

このように、賃貸併用住宅は将来の同居や自宅としての活用、家賃収入の確保などを見据えて建築されることが多いものの、家族や経済状況の変化によって、当初の想定どおりに活用できない場合があります。

一度建てた住宅は簡単に変更できないため、将来の計画が変わった際に柔軟に対応できず、住み方や収益の面で制約を感じることも少なくありません。

7.賃貸併用住宅が向いている・向いていないケース

ここまで、どのようなケースで賃貸併用住宅を建てて後悔するのかお伝えしてきました。

なかには賃貸併用住宅が自分に結局向いているのか、悩んでしまった方もいるかもしれません。

そこで賃貸併用住宅に向いているケースと向いていないケースについて、以下に7つの項目にまとめましたので参考にしてください。

項目

向いているケース

向いていないケース

【優先度★★★】 立地

駅徒歩10分賃貸需要が高い

駅から30分、郊外など賃貸需要が少ない

【優先度★★★】

資金計画

家賃収入はローン返済の補助程度

家賃収入がないとローン返済が難しい

【優先度★★★】

居住期間

長期間その土地に住み続ける

将来、住み替えや売却の可能性が高い

【優先度★★】

プライバシー

入居者とのかかわりに抵抗が少ない

完全に独立した住環境がいい

【優先度★★】

賃貸経営への考え方

賃貸経営について勉強する姿勢がある

管理は管理会社がやればいい

【優先度★】

住まいの優先順位

収益性と住みやすさのバランスを取れる

自宅の間取りや設備を最優先したい

【優先度★】

将来の計画

同居・賃貸継続などを柔軟に考えられる

将来的なプランを変更したくない

【判断ポイント】

(1)マストで押さえておくべき項目

とくに「立地」「資金計画」「居住期間」の3つは、賃貸併用住宅の収益性や安定性に直結する重要なポイントです。

これらの条件を満たしていない場合、空室リスクや資金負担の増加につながる可能性がありおすすめはできません。

(2)そのほかの項目

「プライバシー」「賃貸経営への考え方」「住まいの優先順位」「将来の計画」といった項目は、収益性に直結するというよりも、長期的に無理なく賃貸併用住宅を運用し続けられるかどうかを判断するためのポイントです。

これらの項目については3つ以上当てはまる場合、将来的にストレスや後悔につながる可能性が高く、アパート経営や注文住宅のみなど、賃貸併用住宅以外の選択肢も含めて検討することをおすすめします。

次の章からは、それぞれの項目について、賃貸併用住宅が向いているケースと向いていないケースの違いをより深掘りしながら解説していきます。

7-1.【優先度★★★】立地:入居者に選ばれる立地かどうか

賃貸併用住宅を検討するうえで、向き不向きを考慮するときに重要な要素のひとつが「立地」です。

賃貸部分からの家賃収入を前提とした住宅です。

賃貸併用住宅にするなら入居者が安定して確保できる立地でないと空室が続き、想定していた収益を得られない可能性があります。

実際に、国土交通省の住宅市場動向に関する資料「住生活総合調査(速報集計)結果」でも、住宅の需要は立地や周辺環境などの条件によって異なることが報告されています。

下記に、向いているケースと向いていないケースをまとめました。

【向いているケース】

とくに、以下のような立地は賃貸需要が高く、賃貸併用住宅に向いているといえます。

  • 最寄り駅から徒歩10分以内

  • 都市部や人口が増加しているエリア

  • 大学や企業が近く、単身者やファミリー層の需要があるエリア

  • 商業施設や生活利便施設が充実しているエリア

【向いていないケース】

一方で、以下のような立地は賃貸需要が少なく、賃貸併用住宅には向いていない傾向にあります。

  • 最寄り駅まで徒歩20〜30分以上かかる

  • 人口減少が進んでいる地域

  • 周辺に商業施設が少なく、賃貸需要が限定的なエリア

  • 車がないと生活が難しい立地

このような賃貸需要が少ない立地では、空室が長期間続くリスクが高まり、家賃収入を安定して確保することが難しくなります。

その結果、ローン返済を自己資金で補う必要が生じ、経済的な負担が増加するでしょう。

【判断ポイント】

賃貸併用住宅を検討する際は、自分がここに住めるかではなく、「入居者に選ばれる立地かどうか」という観点から判断することが重要です。

7-2.【優先度★★★】資金計画が家賃収入頼みになっていないか

賃貸併用住宅の向き不向きは、資金計画もかかわってきます。

賃貸併用住宅では、賃貸部分からの家賃収入を住宅ローンの返済に充てることができますが、入居者が常にいるとは限りません。

空室が発生すると家賃収入は得られなくなるため、その間のローン返済は自己資金でまかなう必要があり、「家賃収入がなくてもローン返済を継続できる資金計画になっているか」が重要なポイントです。

たとえば、以下のような資金計画が立てられれば、賃貸併用住宅に向いているといえます。

【向いているケース】

  • 家賃収入がなくてもローン返済を継続できる

  • 家賃収入は「返済の補助」として考えている

  • 空室や修繕費に備えた貯蓄が500万円はある

  • もしもに備えたプランがある
    (2世帯が中止になったときの用途や賃貸を続けたくなったとき家族の了承を得られるかなど)

空室や家賃下落が発生した場合でも返済を継続できる資金計画であれば、賃貸併用住宅のリスクを抑えやすくなります。

一方で、以下のような資金計画はリスクが高く、賃貸併用住宅には向いていないでしょう。

【向いていないケース】

  • 家賃収入を前提にしないとローン返済が難しい

  • 貯蓄が少なく、空室時の備えがない(500万ほどは用意しておくと安心)

  • 修繕費や設備交換費用はそのときになったら考える

  • 将来は自宅として使う予定だが、ローン返済のために賃貸をやめられない可能性がある

  • 家賃収入が前提であり、賃貸をやめる選択が難しい

家賃収入に依存した資金計画では、空室が発生した際に返済負担が大きくなり、家計を圧迫する原因となります。

【判断ポイント】

賃貸併用住宅を検討する際は、家賃収入を過度に期待するのではなく、余裕を持った資金計画を立てられなければやめておくことをおすすめします。

7-3.【優先度★★★】居住期間が長期的か

賃貸併用住宅の向き不向きは、長期間その土地に住み続ける予定があるどうかも判断材料となります。

賃貸併用住宅は自宅と賃貸部分を一体で建築する特殊な住宅であるため、購入希望者が限定され、一般的な戸建住宅と比べて売却しにくい傾向があります。

【向いているケース】

転勤の可能性が低く、長期間住み続ける予定がある場合に限り賃貸併用住宅に向いているといえます。

たとえば、以下のようなケースでは賃貸併用住宅をおすすめできません。

【向いていないケース】

  • 転勤の可能性がある

  • 将来的に売却もアリだと感じている

  • ライフスタイルの変化に応じて住み替える予定がある

賃貸併用住宅は長期的な居住を前提とした住宅です。

【判断ポイント】

将来的に住まない可能性がある場合は負の遺産につながる可能性もあるため、避けておいたほうが無難でしょう。

7-4.【優先度★★】プライバシーをどの程度考慮するか

賃貸併用住宅は、プライバシーについてどの程度考慮するのかによって、向き不向きが変わってきます。

入居者と同じ建物内で生活するため、一般的な戸建住宅と比べてプライバシーを確保しにくくなる場合があるからです。

また、生活音が伝わる可能性もあり、完全に独立した住環境とは異なる点に注意が必要です。

そのため、以下のようなケースであれば、賃貸併用住宅に向いているといえます。

【向いているケース】

  • 入居者と同じ建物に住むことに抵抗がない

  • ある程度の生活音や接触を許容できる

  • オーナーとして入居者との適度な距離感を保てる

一方で、以下のような考えではトラブルの解決を求められたり、顔を合わせることがストレスの原因になったりし、賃貸併用住宅に向いていないといえます。

【向いていないケース】

  • 完全に独立した住環境を求めている

  • 入居者と顔を合わせることに抵抗がある

  • プライバシーを最優先したい

ただし、設計段階で工夫を取り入れることで、プライバシーへの影響を軽減することは可能です。

一定の距離の近さを受け入れる必要があるものの、たとえば玄関や動線を完全に分離した設計や、防音性の高い構造を採用することで、入居者との接触や生活音の影響を抑えやすくなるでしょう。

【判断ポイント】

そのため、自身がどの程度のプライバシーを求めるのかを明確にしたうえで、適した設計を検討することが後悔しないためのポイントといえるでしょう。

7-5.【優先度★★】賃貸経営への考え方が主体的か

賃貸併用住宅は、自宅であると同時に「賃貸経営をおこなう物件」でもあるため、賃貸経営に対する考え方によって向き不向きが大きく分かれます。

ただ物件に住んでいればいいのではなく、入居者の募集や契約、設備の修繕対応など、賃貸経営には継続的な管理や判断が必要になるためです。

管理会社に委託することで業務の多くを任せることは可能ですが、最終的な判断や費用負担はオーナーが担うことになります。

また、同じ建物に住んでいることで、入居者から直接相談を受けるケースも少なくありません。

そのため、以下のような考えや行動に移せる人であれば、賃貸併用住宅に向いているといえます。

【向いているケース】

  • 賃貸経営について勉強する姿勢がある

  • 入居者が困っていれば理解・解決への姿勢をもてる

  • 空室や修繕費などの支出も想定できる

一方で、以下のような考え方では「自宅として快適に暮らすつもりだったのに、常に賃貸経営のことを考えなければならい」といった負担を感じやすく、慎重な検討が必要です。

【向いていないケース】

  • とりあえずわからないことは管理会社に任せよう

  • 入居者とのかかわりをできるだけ避けたい

  • 賃貸経営にかかわる手間や責任を負いたくない

【判断ポイント】

賃貸併用住宅は単なる住まいではなく賃貸物件としての側面ももつため、「自宅」と「賃貸経営」の両方を運用していく意識をもてるかが「賃貸併用住宅に適しているか否か」の分かれ目です。

賃貸経営に対する考え方を軽視していると、想定外のトラブルや支出が発生した際に負担を感じやすくなり、結果的に後悔につながる可能性があります。

インターネットや本、オンラインセミナーなど、賃貸経営に関する勉強はさまざまな方法で始められます。

賃貸併用住宅を検討するのであれば、こうした情報を活用し、賃貸経営の基本的な仕組みやリスク、必要な管理内容についてあらかじめ理解しておくことが重要です。

7-6.【優先度★】住まいの優先順位を柔軟に調整できるか

賃貸併用住宅は自宅としての住みやすさと、賃貸物件としての収益性の両方を考慮して設計する必要があるため、住まいに対する優先順位によって向き不向きが分かれます。

一般的な注文住宅のように自宅部分の間取りや設備を自由に決められるとは限らず、賃貸部分の専有面積や動線、設備とのバランスを取る必要があるからです。

そのため、以下のような考え方であれば、賃貸併用住宅に向いているといえます。

【向いているケース】

  • 収益性と住みやすさのバランスを重視できる

  • 自宅部分に一定の制約があっても納得できる

自宅だけを優先するのではなく、入居者の住み心地や考えも優先できるような考えがある人なら向いているでしょう。

一方で、以下のような場合は慎重に検討する必要があります。

【向いていないケース】

  • 自宅の間取りや広さ、設備に一切妥協したくない

  • 理想の住まいを最優先で実現したい

  • 収益性よりも住み心地を重視したい

このような場合でも、必ずしも賃貸併用住宅を諦めなければならないわけではありません。

賃貸部分の規模を抑えて自宅部分の割合を大きくしたり、賃貸併用住宅の設計実績が豊富なハウスメーカーに相談したりすることで、住みやすさを重視した設計にすることは可能です。

ただし、自宅部分を優先しすぎると賃貸部分の専有面積や設備がニーズに合わなくなり、入居者が決まりにくくなる可能性があります。

その結果、空室期間が長引いたり、想定していた家賃収入を確保できなかったり、収支計画に影響を及ぼすこともあるでしょう。

【判断ポイント】

自宅の理想を実現したい場合でも、賃貸物件としての競争力を維持できる範囲でバランスを取れるかが重要です。

7-7.【優先度★】将来の計画に柔軟性があるか

賃貸併用住宅を検討する際は、現在の生活だけでなく、将来の住まい方やライフプランも見据えて判断することが重要です。

長期間にわたって住んでいくなかで、家族構成の変化や収入状況の変化によって、当初想定していた使い方ができなくなる可能性があるからです。

たとえば、「将来は親と同居する」「子どもが独立したら賃貸部分を自宅として使う」といった計画を前提に建築しても、実際には同居が実現せず、賃貸を継続せざるを得なくなったりするケースもあります。

そのため、以下のようなケースであれば、賃貸併用住宅に向いているといえます。

【向いているケース】

  • 賃貸部分を自宅の拡張や親との同居など、状況に応じて柔軟に活用できる

  • 同居予定を賃貸継続に変更するなど、ライフプランの変化に応じて判断できる

  • 最初は賃貸として運用し、必要に応じて自宅・二世帯住宅・売却など複数の選択肢を検討できる

一方で、以下のような場合は慎重な検討が必要となり、後悔につながりやすくなります。

【向いていないケース】

  • 将来は必ず親と同居する、自宅を拡張するなど、使い方をすでに決めており変更したくない
    (使い道がなくなる)

  • ずっと賃貸として運用する予定だったが、親の介護や病気をきっかけに同居が必要になり、賃貸部分をすぐに自宅として使えず対応に困る

賃貸併用住宅を始めるなら、将来の用途変更を見据えて、自宅部分と賃貸部分を柔軟に変更できる設計にすることや、家賃収入に依存しすぎない資金計画を立てておくことが重要です。

【判断ポイント】

将来のライフプランに変化が生じた場合でも対応できるよう、複数の活用方法を想定したうえで計画しておくことが、賃貸併用住宅で後悔しないための重要なポイントとなります。

家の活用で悩んだら、いざ貸すにご相談

家の活用で悩んだら、ぜひ、いざ貸すにご相談ください。

賃貸併用住宅で後悔しないためには、自己判断だけでなく、複数の管理会社を比較しながら最適な運用方法を選ぶことが欠かせません。

管理会社一括比較サービス、いざ貸すならオーナーが物件情報を入力するだけで、中立的な立場で、最大6社の賃貸管理会社をご提案できます。

オーナーは完全無料で利用でき、チャット形式の質問に答えるだけで、地域や物件特性などに応じて最適な管理会社が選定されるため、効率よく比較できます。

全国650社以上の管理会社と提携しており、都市部だけでなく地方エリアにも対応しているため、幅広い地域で利用可能です。

累計11万人以上の査定登録実績があり、賃貸併用住宅だけでなく持ち家やマンション、アパートなど、さまざまな不動産を所有するオーナーに利用されています。

いざ貸すを活用して、自身の物件に合った最適な管理会社を見つけましょう。

8.まとめ

◎賃貸併用住宅で後悔するかは、「向き不向き」によるところが大きいといえます。

◎賃貸併用住宅では以下4つの場面で後悔することがあります。

◎賃貸併用住宅に向いているケースと向いていないケースについて、以下に7つの項目にまとめましたので参考にしてください。

項目

向いているケース

向いていないケース

【優先度★★★】 立地

駅徒歩10分賃貸需要が高い

駅から30分、郊外など賃貸需要が少ない

【優先度★★★】

資金計画

家賃収入はローン返済の補助程度

家賃収入がないとローン返済が難しい

【優先度★★★】

居住期間

長期間その土地に住み続ける

将来、住み替えや売却の可能性が高い

【優先度★★】

プライバシー

入居者とのかかわりに抵抗が少ない

完全に独立した住環境がいい

【優先度★★】

賃貸経営への考え方

賃貸経営について勉強する姿勢がある

管理は管理会社がやればいい

【優先度★】

住まいの優先順位

収益性と住みやすさのバランスを取れる

自宅の間取りや設備を最優先したい

【優先度★】

将来の計画

同居・賃貸継続などを柔軟に考えられる

将来的なプランを変更したくない

あなたが賃貸併用住宅を始めて後悔しないよう、選択できることを願っています。

この記事が役に立ったら、
ぜひシェアをお願いします

Author

河上 隼人

河上 隼人 HAYATO KAWAKAMI

株式会社エイムプレイス 代表取締役

1980年11月8日生まれ 広島県出身

インターネットメディア事業「いざ貸す」を運営し、不動産オーナーと不動産会社をつなぐ架け橋として活動。効率的で自由度の高い経営スタイルを追求しながら、自らも日々学び続けている。

この記事に関連する記事

最大6社を比較するから、1番良い条件が分かる。

無料査定スタート