アパート経営の家賃収入相場|手取りがわかる収支シミュレーション付

河上 隼人 監修者:河上 隼人
アパート経営の家賃収入相場|手取りがわかる収支シミュレーション付

「アパート経営の家賃収入っていくらくらい稼げるの?」

「実際手元にいくらくらい残る?」と興味を持っている方も多いでしょう。


アパートの構造別家賃収入相場は以下のとおりです。


【構造別|アパートの家賃収入相場】

構造

家賃収入目安

木造

約508.8万~758.4万円/年

(約42.4万~63.2万円/月)

非木造(軽量鉄骨・RC)

約614.4万~892.8万円/年

(約51.2万~74.4万円/月)

※本記事で紹介する1R~2LDKの家賃収入をもとにしています。エリアや築年数などさまざまな条件により変動します。


しかし、実際に手元に残る金額は、これらの家賃収入から大きく目減りします。


なぜなら、アパート経営ではローン返済・税金などの多数の支出、空室による収入源、修繕費などが発生します。


特にアパート1棟の購入となるため、初期費用・維持費ともに大きくなりやすく、場合によっては一時的に赤字となり手元資金が必要になることもあります。


一方で、物件管理や入居者対応をしっかり行ってくれる管理会社を見つけて、空室を最小限に抑えられれば、家賃収入を効率よく得られ手取りも増やすことも可能です。


そこで本記事では、アパート経営の手取りを正しく理解するために必要な情報を詳しく解説します。


  • アパート経営の家賃相場

  • アパート経営の収支項目

  • アパート経営の手取りシミュレーション

  • アパート経営の注意点

  • アパート経営を始めるかどうかの判断基準


まずは、家賃収入の相場から見ていきましょう。


1.【物件構造別】アパート経営の家賃収入の相場


不動産所得の全国平均は年間521万円とされています。


ただし、実際の収入は物件の構造・間取りによって大きく異なります。


【構造別|アパートの家賃収入相場】

構造

家賃収入目安

木造

約508.8万~758.4万円/年

(約42.4万~63.2万円/月)

非木造(軽量鉄骨・RC)

約614.4万~892.8万円/年

(約51.2万~74.4万円/月)

※本記事で紹介する1R~2LDKの家賃収入をもとにしています


では、構造別に間取りごとの家賃収入目安を詳しく見ていきましょう。


1-1.木造

木造アパートの家賃相場は、次のとおりです。


【木造|アパートの家賃収入相場】

単位

家賃目安

1R|約25平米(15畳)

1室あたりの家賃

約63.6万円/年

(約5.3万円/月)

1棟(8戸)あたりの家賃

約508.8万円/年

(約42.4万円/月)

1DK|約28平米(17畳)

1室あたりの家賃

約73.2万円/年

(約6.1万円/月)

1棟(8戸)あたりの家賃

約585.6万円/年

(約48.8万円/月)

1LDK|約30平米(18畳)

1室あたりの家賃

約76.8万円/年

(約6.4万円/月)

1棟(8戸)あたりの家賃

約614.4万円/年

(約51.2万円/月)

2LDK|約35平米(22畳)

1室あたりの家賃

約94.8万円/年

(約7.9万円/月)

1棟(8戸)あたりの家賃

約758.4万円/年

(約63.2万円/月)

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」(民営借家・共同住宅・木造の1畳あたり平均家賃3,589円から算出)|国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」


上記は全国平均をベースにした参考値です。


実際の収益計画では、物件があるエリアの相場を確認する必要があります。SUUMOやLIFULL HOME'Sなどを使って、検討するエリアにあるご自身の物件と似た物件をチェックしてみてください。


【東京23区(都心5区以外)の家賃相場例】

賃貸ポータルサイトで、東京23区(都心5区以外)のアパート家賃相場(1戸あたり)を見ると、下記のとおりでした。

  • 1R:68.4万~86.4万円(5.7~7.2万円/月)

  • 1DK:75.6万~94.8万円(6.3~7.9万円/月)

  • 1LDK:110.4万~153.6万円(9.2~12.8万円/月)

  • 2LDK:154.8万~212.4万円(12.9~17.7万円/月)

全国平均と比べると、東京23区では1.1~1.5倍程度の家賃水準となっており、エリアによる差が収益を左右することがわかります。

1-2.非木造(軽量鉄骨・RC)

非木造アパートの家賃相場は、次のとおりです。


【非木造|アパートの家賃収入相場】

単位

家賃目安

1R|約25平米(15畳)

1室あたりの家賃

約76.8万円

(約6.4万円)

1棟(8戸)あたりの家賃

約614.4万円

(約51.2万円)

1DK|約28平米(17畳)

1室あたりの家賃

約86.5万円

(約7.2万円)

1棟(8戸)あたりの家賃

約691.2万円

(約57.6万円)

1LDK|約30平米(18畳)

1室あたりの家賃

約91.2万円

(約7.6万円)

1棟(8戸)あたりの家賃

約729.6万円

(約60.8万円)

2DK|約35平米(22畳)

1室あたりの家賃

約111.6万円

(約9.3万円)

1棟(8戸)あたりの家賃

約892.8万円

(約74.4万円)

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」(民営借家・共同住宅・非木造の1畳あたり平均家賃4,239円から算出)|国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」


非木造は、木造と比較すると家賃収入が約18%高い水準となります。


【収益性を判断するポイント】

ただし、家賃収入の水準が高いとは言え、2-2-1.【購入時】物件価格でもお伝えしますが、非木造は木造より建築費が40~67%高くなります。

家賃収入が高くても建築費が大きくなるため、利回りは下がりやすい傾向があります。


2.【家賃収入や収支を把握するために知っておくべき】アパート経営の収入・費用項目



アパート経営の家賃相場が把握できたところで、次に家賃以外の収入や支出について解説します。


収入・支出項目と発生するタイミングを把握することで、最終的な手残り、実際の収支を把握できます。


そこで、ここからは収入と支出を下記のように分類して、各項目を詳しく解説します。


【アパート経営の収入と支出一覧】

収入

【毎月】

・家賃

・共益費

・駐車場代

【入居者の入れ替え時】

・礼金

【契約更新時(通常2年ごと)】

・更新料

支出

【購入時】

・物件価格

・物件購入時の諸費用

・ローン契約の諸費用

【入居者入れ替え時】

・原状回復費

・広告宣伝費

【毎月】

・借入金の利息

・管理委託手数料

・共用部分の電気代・水道代

【毎年】

・固定資産税・都市計画税

・損害保険料

【不定期】

・修繕費・修繕積立費


では一つずつ、詳しく確認していきましょう。


2-1.収入

アパート経営の収入は、発生するタイミングによって下記のように分類できます。


【アパート経営の収入と相場】

収入の種類

相場

毎月

家賃

周辺物件の家賃相場を参考に決める

共益費

家賃の5%程度/年

駐車場代

1台あたり6万~18万円/年

入居者の入れ替え時

礼金

平均家賃2~6か月分/年

契約更新時(通常2年ごと)

更新料

平均家賃2~6か月分/年

※月単位・不定期で発生するコストも収支計画に落とし込みやすいよう、相場はすべて年換算で統一しています


このように、アパート経営の収入は「毎月の定期収入(家賃・共益費など)」と「数年に1回発生する一時収入(礼金・更新料)」の組み合わせで構成されます。


ここからは、それぞれの収入相場と内容を詳しく確認していきます。


2-1-1.家賃

家賃はアパート経営における一番の収入源です。


家賃は周辺物件の相場をもとに設定します。


新築アパートは「新築プレミアム」として周辺相場より高めの家賃設定が可能です。


一般的に家賃は、築年数が経過するにつれて家賃は年率1%下落していく傾向があります。


例えば、新築時に月8万円で設定した場合、10年後には約7.2万円前後まで下がる可能性があります。


長期の収支シミュレーションでは、家賃の経年下落を織り込んで試算を行いましょう。


2-1-2.共益費|家賃の5%程度/年

共益費は家賃とは別に設定できるもので、相場は家賃の5%程度(平均5,000円/月)です。


共益費はオーナーが設定できますが、下記をもとに金額を設定するとよいでしょう。


  • 共用部分の電気代・水道代の実費を相殺できるように考慮する

  • 物価高の影響などを見据え、共益費に組み込む


共益費は、「建物を維持するための対価」として考えられやすく、家賃の値引き交渉の対象になりにくい項目です。


長期的な建物維持に必要なコストを踏まえて金額を設定しましょう。


2-1-3.駐車場代|1台あたり6万~18万円/年

アパートに駐車場がある場合、契約台数に応じて駐車場代も収入に加わります。


エリアにより相場は異なりますが、5,000~15,000円/台で設定される傾向があります。


金額は、近隣のコインパーキングや月極駐車場の料金をベースに、同額から1割引程度で設定されます。


車所有者の多いエリアなら周辺相場程度、車利用者が少ないエリアなら割引と、需要に応じて設定すると良いでしょう。


2-1-4.礼金・更新料|約家賃2~6か月分/年

礼金と更新料は、入居時・契約更新時に入る一時収入です。


相場は次のとおりです。


  • 礼金(入居契約時):家賃1~2ヶ月分

  • 更新料(通常2年ごと):家賃1ヶ月分


賃貸の平均居住期間3~4年というデータに基づくと、年額平均家賃2~6か月分(※)となります。

※年間2戸入れ替え、更新料2戸以上をベースに算出


礼金は入居契約時に、更新料は入居者が住み続けている間、繰り返し発生します。


例えば、2年ごとに更新の契約で、同じ入居者が10年住んだ場合、更新料を最大5回分受け取れます。

家賃6万円・2年ごとに更新のアパートに、同じ入居者が10年住み続けると・・・

6万円×5回更新=30万円

→10年間で30万円受け取れます。


礼金・更新料は1回あたりの金額は小さくても、入居者がいる限り定期的に入り、積み重なると大きな収入となります。


【礼金・更新料の注意点】

西日本の一部エリアでは、更新料の慣行がない傾向があります。


また、礼金をつけると入居者が決まりにくくなるため、場合によっては礼金をつけずに募集するケースもあります。


ご自身の物件があるエリアでの慣行を知るには、SUUMOやLIFULL HOME'Sなどで周辺の募集条件を検索し、礼金・更新料を設定しているかを確認するのが手軽です。


2-2.支出

続いて、アパート経営で発生する支出を解説します。


支出は「いつ発生するか」によって、おもに下記5つに分類できます。


【アパート経営の支出と相場】

支出の種類

相場

【初期費用】購入時

物件価格

市場価格による

物件購入時の諸費用

物件価格の5~10%

ローン契約の諸費用

頭金+諸費用(借入額の3~4%)

【臨時費用】入居者入れ替え時

原状回復費

1戸あたり10~50万円/年

広告宣伝費

家賃2~4ヶ月分/年

【固定費】毎月

借入金の利息

借入額の1.5~4.0%/年

管理委託手数料

年間家賃の5%前後/年

共用部分の電気代・水道代

12~36万円/年

【固定費】毎年

固定資産税・都市計画税

約25~100万円/年

損害保険料

平均約10~30万円/年

【臨時費用】不定期

修繕費・修繕積立費

1戸あたり平均6万円/年

※月単位・不定期で発生するコストも収支計画に落とし込みやすいよう、相場はすべて年換算で統一しています


支出の種類が多く見えますが、毎月・毎年かかる固定費は11項目中5項目です。


残りは購入時の初期費用と、入居者入れ替えや修繕のタイミングで発生する臨時費用のため、あらかじめ発生時期と金額を把握しておくことで対策を立てやすくなります。


なお、初期費用は手元資金からの支出となりますが、それ以降の支出は基本的に家賃収入の中からまかなうのが基本的な構造です。


空室を最小限に抑えて家賃収入を安定させることができれば、これらの支出を差し引いても黒字を確保できます。


それでは、一つずつ確認していきましょう。


各見出しの具体的な計算例では、「木造2階建て・8戸・・1R(20~25平米)・単身向け」をモデルケースとしています。


2-2-1.【購入時】物件価格|市場価格による

アパート経営の初期費用で最も大きな割合を占めるのが物件価格です。


新築or中古、エリア・構造によって、数千万円単位で変わります。


◆新築の場合

まずは新築の物件価格を見ていきます。


新築の場合、土地代+建築費が発生します。土地代はエリアによって大きく異なります。


【住宅用土地(200平米)の価格目安】

エリア

住宅地の平米単価

東京都(都心部)

2億3,000万~3億2,000万円

東京都(都心部以外の23区)

9,800万~1億5,600万円

地方主要都市(大阪・名古屋・福岡)

2,600万~6,600万円

※上記金額は、国土交通省「不動産情報ライブラリ|不動産価格(取引価格・成約価格)」をベースに、敷地面積200平米(1R(25平米)×8戸のモデルケース)として算出。【住宅地の平米単価】東京都(都心部):115万~160万円、東京都(都心部以外の23区):49万~78万円、主要都市13万~33万円。駐車場なし・最低限の外構を想定した場合の目安です。


すでに土地を所有している場合は建築費のみで始められるため、「土地あり」か「土地なし」かで総額が大きく変わります。


次に建築費を見ていきましょう。

以下の表では、アパート経営でよくあるケース(1R(25平米)×8戸)をベースに、構造別の建築費をまとめました。


【新築アパート(1R(25平米)×8戸)の建築費目安】

木造

全国

約4,910万~5,360万円

東京都

約6,270万~6,840万円

鉄骨造

全国

約7,480万~8,160万円

東京都

約8,830万~9,630万円

RC造

全国

約8,340万~9,100万円

東京都

約1億410万~1億1,400万円

※上記金額は、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに算出した構造別平米単価をもとに試算しています。構造別平米単価(木造:全国約22.3万円/東京都約28.5万円、鉄骨造:全国約34.0万円/東京都約40.1万円、RC造:全国約37.9万円/東京都約47.3万円)実際の建築費は仕様・施工会社により異なります。

※〈計算式〉建物本体工事費(25(平米)× 8(戸)×平米単価)に、付帯工事費(外構・電気・給排水など)として本体工事費の10~20%を加算


◆中古の場合

続いて、中古アパートの相場は以下のとおりです。


【中古アパート相場】

エリア

物件価格の相場

東京都

5,000万~2億円

首都圏+地方主要都市(大阪・名古屋・福岡)

1,600万~8,000万円

※本相場は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」から抽出した2024年第4四半期~2025年第3四半期年のデータです。築年数などの条件により変動します。


このように、物件価格は新築or中古、土地の有無、エリア、構造などによって大きく変わります。


2-2-2.【購入時】物件購入時の諸費用|物件価格の5~10%

物件価格のほかにも、購入時にはさまざまな諸費用が発生します。


一般的に諸費用の総額は、物件価格の5~10%を見込んでおくとよいでしょう。


【物件購入の諸費用内訳】

項目

算出方法

不動産取得税

課税評価額(※2)×4%(住宅用途の特例適用の場合3%)

印紙代

物件価格:1,000万~5,000万→2万円

物件価格:5,000万~1億→6万円

登録免許税

新築の場合(所有権保存登記):固定資産税評価額×税率4%

中古の場合(所有権移転登記):固定資産税評価額×税率2%

仲介手数料(※1)

物件価格×3%+6万円が上限

※1仲介手数料は中古アパートを購入した場合に発生します

※2固定資産税評価額:税金を計算するための「土地・建物の評価額」を指します。市町村長が作成する「固定資産課税台帳」に記載されています。

出典:国税庁「固定資産税評価額」|三菱UFJ不動産販売「固定資産課税台帳とは」


これらの諸費用は、物件の取得時に一括で支払うケースがほとんどです。ローンでまかなえない費用も含まれるため、自己資金として準備しておく必要があります。


2-2-3.【購入時】ローン契約の初期費用|頭金+諸費用(借入額の3~4%)

アパート購入時にローンを組む際は、物件価格・諸費用とは別にローン諸費用が発生します。

金額の目安は、頭金(物件価格の10~20%)+借入額の約3~4%です。


【ローン契約時の初期費用】

項目

算出方法

頭金

物件価格の10~20%

諸費用

事務手数料

定額制:約3万~5万円

定率制:借入金額×1~2%

保証料

一括払い:借入金額×約2%

金利上乗せ:借入金利に+0.2~0.3%

登録免許税

(抵当権設定登記)

借入金額×0.4%

※事務手数料・保証料は支払い方式によって金額が変わります。支払い方式にかかわらず、諸費用の合計は借入額の3~4%におさまります。


頭金は物件価格の10~20%を用意するケースが多くあります。

頭金を多く入れるほど借入金が減り、利息負担・月々の返済額を抑えられます。


2-2-4.【入居者入れ替え時】原状回復費|1棟あたり20~100万円/年

原状回復費は、入居者が退去するたびに部屋の状態を整えるためにかかる費用です。


1戸あたり10~50万円が目安です。棟全体で見ると、通常の原状回復で年間約20万円、フローリングや床の張替を含むと年間100万円程度になります。


※入居者の平均居住期間4年をもとに、1年で約2件退去すると仮定

出典:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「第28回 賃貸住宅市場景況感調査 『日管協短観』」


【主な工事項目と費用相場】

内容

相場

クロス張り替え

約7~10万円(※1)

フローリング・床張り替え

約35~50万円(※2)

ハウスクリーニング

約5万円

※1:クロス張り替えは約1,200円平米をもとに算出

※2:フローリング・床張替は約15,000円/平米をもとに算出

出典:国土交通省「「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 に関する参考資料」


入居者が退去する時に加え、アパート取得時にも必要に応じて原状回復をするケースがあります。

フローリング・床をすべて張り替えるケースは少なく、通常クロス張り替えとハウスクリーニングのみですむことがほとんどです。


【原状回復費の考え方のポイント】

入居者の故意・過失などによって損耗があった場合は、一部費用を入居者に請求できますが、通常使用や経年変化による劣化はオーナーが負担します。


原状回復による入居者とのトラブルも少なくないため、国土交通省が制定するガイドラインを把握し、自己負担分を事前にコストとして見込んでおくと良いでしょう。


出典:国土交通省「「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について 」

2-2-5.【入居者入れ替え時】広告宣伝費|家賃2~4ヶ月分/年

広告宣伝費は、退去が発生し次の入居者を募集する際にかかる費用です。


相場は1戸あたり家賃1~2ヶ月分です。入居者の平均居住期間は約4年とされているため、年間2戸退去すると考えた場合、アパート全体で見ると「家賃1~2ヶ月分×2戸分」が年間でかかると考えられます。


出典:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「第28回 賃貸住宅市場景況感調査 『日管協短観』」


費用の目安は、募集時期や物件の需要によって変動します。


【募集時期別の広告費目安】

募集時期

広告費の目安

繁忙期(1~3月、9~10月)

0~1ヶ月分

閑散期(6~8月、11~12月)

1~2ヶ月分


また、物件の条件別広告宣伝費目安は次のとおりです。


【物件の状況別広告費目安】

物件の状況

広告料の目安

需要が高い物件

(例:設備スペックが高い、住環境が快適など)

0~1ヶ月分

標準的な物件

(例:設備・立地が最低基準以上、家賃設定が適切)

1~2ヶ月分

入居者が集まりにくい物件

(例:立地が悪い、設備・外観が古いなど)

2~3ヶ月分以上


物件の状況や募集時期によって大きく変わるため、収支計画では保守的に1〜2ヶ月分を見込んでおくとよいでしょう。


2-2-6.【毎月】借入金の利息|借入額の1.5~4.0%/年

不動産投資ローンの利息は、毎月かかる固定費の一つです。

2026年3月時点での不動産投資ローンの金利相場は、年1.5~4%程度です。


借入金額5,000万円なら年間約70万~200万円、1億円なら年間約140万~400万円が目安です。


【ローン返済額の考え方】


ローン返済のうち、費用として計上できるのは「利息」のみです。


これは、元本と利息の性質が根本的に異なるためです。


利息は「お金を借りるためのコスト」であるのに対し、元本は「借りたお金を返しているだけ」です。そのため、
元本は返済が進むほど資産が増えるという扱いになります。


「毎月のローン返済額=全額支出」と考えると、収支計画が実態とずれるため、元本と利息の違いを正しく理解しておきましょう。


2-2-7.【毎月】管理委託費|家賃の5%前後/年

管理会社にアパートの運営を任せる対価として毎月発生する費用です。

相場は家賃収入の5%前後です。


管理会社に委託することで、入居者の対応・建物の維持管理・クレーム処理などの業務を代行してもらえます。自主管理であれば不要なコストですが、本業を持つ方や遠方に住む方にとって欠かせないコストです。


次のように、委託する業務の範囲によって料率が変動します。


【手数料ごとの業務範囲例】

手数料

業務内容

2~3%

契約・更新事務、家賃集金

4~7%

契約・更新事務、家賃集金、入居者対応など

5~8%

契約・更新事務、家賃集金、入居者対応+24時間対応、家賃保証、対応保証など


管理会社の費用相場については、「賃貸管理手数料の相場は5%?無料〜20%の実態・失敗しない選び方」の記事で詳しく紹介しているため、気になる方はチェックしてみてください。

2-2-8.【毎月】共用部分の水道代・電気代|約12~36万円/年

アパート1棟を運営する場合、廊下・階段・エントランスなどの共用部分にかかる光熱費はオーナーが負担します。


年間約12~36万円が目安です。


具体的には下記が該当します

  • 共用部分の照明や防犯カメラなどの設備にかかる電気代

  • 共用の水道料などの使用料 など


【費用の目安】

電気代:月1~2万円

水道代:月数円

合計:月1~3万円程度


例えば、共用部の電気代・水道代の合計が月2万円の場合、年間では24万円の負担となります。


見落とされがちな費用ですが、継続的に発生するため資金計画に含めておきましょう。


2-2-9.【毎年】固定資産税・都市計画税|約25~100万円/年

固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点でアパートを所有していると課される税金です。


年間25万円~100万円が目安です。


金額に幅があるのは、物件の規模やエリア、築年数などによって固定資産税評価額が大きく異なるためです。


固定資産税評価額とは、市区町村で算定された税金を計算するための評価額です。一般的に、実際の取引価格の60~70%程度が目安とされています。


土地・建物それぞれ、固定資産税評価額に税率をかけて算出します。


【税率】

  • 固定資産税:固定資産税評価額 × 1.4%

  • 都市計画税:固定資産税評価額 × 0.3%(上限※)


※都市計画税の税率は都市によって異なります


土地部分の評価額は一定ですが、建物部分は経年とともに評価額が下がるため、税額も徐々に下がる傾向があります。


2-2-10.【毎年】損害保険料|平均約10~30万円/年

損害保険料は、火災・風災・水災・地震などのリスクに備えるために欠かせないコストです。


入居者も火災保険に加入しますが、これは入居者自身の家財や賠償責任を補償するものです。建物全体への補償は対象外となるため、建物の所有者であるオーナーも別途加入する必要があります。


損害保険はおもに「火災保険」と「地震保険」の2種類で、それぞれの保険料目安は5万~15万円です。


◆火災保険料

火災保険料は、建物建築費の0.05%~0.25%が目安ですが、構造によって保険料が大きく変動します。


【火災保険料の料率目安】

構造

保険料の目安

木造

0.25%

軽量鉄骨造

0.12%

RC造

0.05%

※実際の保険料は、エリアや建物の条件により変動します。


例えば、建築費3,000万円の木造アパートの場合、3,000万円×0.25%=年間7.5万円となります。


◆地震保険料

地震保険は、「建物の所在地(都道府県ごとの地震危険度)」と「建物の構造」の2つで料率が決まります、「設定した保険金額×料率」で算出されます。


火災保険に追加する形でのみ加入でき、保険金額は火災保険の保険金額の30~50%の範囲内で設定します。

火災保険・地震保険それぞれの保険料を合算した年間10~30万円を、毎年の固定費として収支計画に組み込みましょう。


2-2-11.【不定期】修繕費(修繕積立費)|1戸あたり約6万円/年

修繕費は、アパートの資産価値と入居者の居住環境を維持するために、必要な費用です。


修繕費の目安は1戸あたり年間約6万円です。


国土交通省の「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」によると、全10戸の木造アパートの30年間の修繕費用は約1,740万円とされています。これを年換算すると1戸あたり約5.8万円になります。


【全10戸の1棟アパート(木造)の修繕時期と費用例】

  • 5~10年:約70万円(約7万円/1戸)

  • 11~15年:約52万円(約52万円/1戸)

  • 16~20年:約180万円(約18万円/1戸)

  • 21~25年:約800万円(約80万円/1戸)

  • 26~30年:約180万円(約18万円/1戸)

⇒30年間の総額:約1,740万円(約174万円/1戸)

出典:国土交通省「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」


ただし、実際の修繕費は発生時に一括での支出となり、手元資金が一気に減るリスクがあります。そのため、毎月少しずつ積み立てておくと安心です。


なお、おもな修繕項目と実施時期、金額目安は以下のとおりです。


【修繕項目ごとの実施時期と金額の目安】

共用部分

外壁塗装

築11~18年目

200~300万円(1棟あたり)

屋根修繕・防水

築11~15年目

100~200万円(1棟あたり)

階段、廊下修繕・防水

築11~18年目

20~100万円(1棟あたり)

内装部分

リフォーム(水回り一新)

15~20年ごと

30~100万円(1戸あたり)

エアコン交換・給湯器交換

11~15年目ごと

各10万円~※工事費込み(1台あたり)

出典:国土交通省「賃貸住宅の修繕・点検時期 セルフチェック」


長期修繕計画をたて、早くから積み立てておくと、急な出費による現金の残高不足防止につながります。


上記以外にも発生するイレギュラー支出

アパート投資を行うと、毎年確定申告が必要になります。

対応方法によって費用が異なります。


税理士に依頼する場合:年間5~15万円程度

会計ソフトなどを利用する場合:年間1万円程度


3.アパート経営の家賃収入に対する手残りシミュレーション



ここからは、前章までで解説してきた収入・支出をもとに、アパート経営では実際いくらくらい手残りがあるのかをシミュレーションしていきます。


ここからは、下記3STEPでシミュレーションしていきます。



計算式も合わせて紹介しますので、ご自身の物件に当てはめながら読み進めてみてください。


今回は、世田谷区の中古アパートを例にシミュレーションしていきます。


なお、物件価格・間取り・金利など、アパート経営の入門として想定しやすい標準的な条件を設定しています。ご自身の条件に当てはめてシミュレーションしてみてください。


【前提条件】

物件:中古木造アパート

物件価格:7,000万円

借入額:6,300万円

金利:2.25%(固定)

返済期間:20年

間取り・戸数:1R(約25平米)×8戸

家賃(月額・1戸):7.0万円/月

共益費:4,500円/戸

駐車場:5,000円/戸

管理委託手数料:5%

共用部分の電気代・水道代:36万円/年

固定資産税・都市計画税:約25万円/年

損害保険料:約10万円/年

修繕積立費:約6万円(1戸)/年


3-1.STEP1.初期費用を計算しよう

まずは、初期費用を計算してみます。

初期費用には、「1.物件購入時の諸費用」と「2.ローン契約にかかる費用」があります。


【初期費用】

(1)物件購入時の諸費用

仲介手数料

7,000万円×3%+6万円=216万円

不動産取得税

約1,470万円(固定資産税評価額)×3%=約44.1万円

印紙代

6万円

登録免許税

(所有権移転登記)

約1,470万円(固定資産税評価額)×2%=約29.4万円

合計

約296万円

(2)ローン契約にかかる費用

頭金

700万円(10%)

事務手数料

定額制:3~5万円

定率制:6,300万円×1~2%=63~126万円

保証料

6,300万円×約2%(一括払い)(※)=126万円

登録免許税

(抵当権設定登記)

6,300万円×0.4%=25.2万円

合計

約914万~977万円

諸費用合計(1)+(2)

約1,213万~1,273万円

※保証料について、金利上乗せを(+0.2~0.3%)を選択した場合、一括払いの64万円は発生しません。ただし35年間(ローン返済期間)にわたり毎月の返済額に上乗せされるため、総支払額は一括払いと同水準になります。


3-2.STEP2.1年間の収支シミュレーション

次に、1年間の収支をシミュレーションします。


下記の計算式を使って計算します。




まず1戸あたりの年間収支を算出します。


【1年間の収支】

収入

年額

家賃(1戸あたり)

7万円×12ヶ月分=84万円

共益費(1戸あたり)

0.45万円×12ヶ月分=5.4万円

駐車場代(1戸あたり)

0.5万円×12ヶ月分=6万円

礼金・更新料

7万円×2戸分=14万円(※1)

(1)空室期間2ヶ月分×2戸(※2)

(7万+0.45万円+0.5万円)×2ヶ月分×2戸=31.8万

(2)1棟収入合計

(1戸あたりの年間収入×8戸+礼金・更新料-(1))

約745万円

支出/1棟

年額

ローン返済額(元本)

249.6万円

ローン返済額(利息)

141.9万円

原状回復費

20万円

入居者募集費

28万円(※1)

管理委託手数料

32.2万円(※1)

共用部分の電気代・水道代

24万円

固定資産税等

25万円

損害保険料

10万円

修繕費・修繕積立費

6万円×8戸分=48万円

(3)支出合計

約579万円

収支(税引き前)(2)-(3)

約166万円

※1 礼金・更新料、管理委託手数料、入居者募集費は、年間2戸入れ替え、各2ヶ月の空室期間を想定しています

※2 該当マスは、空室期間に減少する分の減収項目のため、収入合計では収入から差し引いて計算します


満室を想定した場合、年間約166万円の収益となります。

上記は満室を想定しているため、空室が生じた場合は下記のような影響が考えられます。


【稼働状況ごとの収支】

稼働状況

年間収支

満室(8戸稼働)

約166万円

空室1戸(7戸稼働)

約71万円

空室2戸(6戸稼働)

▲約19万円


この物件の場合、空室が2戸(稼働率75%)を下回ると収支がマイナスになりますが、稼働率75%以上を維持できれば黒字を確保できる構造です。


支出(ローン返済額や維持費など)が、収入を下回る資金計画を組めていれば、満室時は基本的に黒字になります。収支の安定には、空室をいかに最小限に抑えるかが鍵となります。


3-3.STEP3.30年間の収支シミュレーション

続いて、30年間の収支シミュレーションを見てみましょう。


前提条件は次のとおりです。


【前提条件】

  • 家賃は年率1%下落

  • 毎年2戸入れ替え

  • 20年目までローンの支払いあり

  • 修繕費:10年目/200万円、15年目/80万円、20年目/250万円を想定

  • 支出のうち修繕費を毎年積立て、修繕が発生した場合、修繕積立残高から支払う


※長期運用を見越すと、一般的に家賃下落・入居者の入れ替え・大規模修繕の発生が想定されます。より実態に近いシミュレーションにするためには、これらの変動要素を織り込む必要があります。


【30年間シミュレーション(満室想定)】


※年間収入には礼金・共益費含む

 年間にはローン(元本+利息)・管理委託・管理費修繕積立金・損害保険料・固定資産税・その他を含む


満室想定(毎年入れ替えあり)の場合、30年間を通して常時黒字で推移します。


【修繕費の支払い】

10年目、15年目、20年目に修繕による大きな支出を想定していますが、毎年積み立てている残高(黄色枠部分)から支払うことができます。


続いて、空室の発生を想定したシミュレーションです。


【30年間シミュレーション(常時2戸空室想定)】


※年間収入には礼金・共益費含む

 年間にはローン(元本+利息)・管理委託・管理費修繕積立金・損害保険料・固定資産税・その他を含む


常時2戸空室があると、ローン完済まで毎年収支が赤字になり、ローン完済の20年目に1,164万円の赤字ピークとなります。


この赤字分は自己資金からの補填が必要となるため、手元資金の確保が経営継続の鍵となります。

21年目からは支出からローン返済額がなくなるため、30年目には1,606万円の黒字まで回復します。


4.アパート経営の家賃収入の注意点



アパート経営のリスクは、大きく次の2つに分けられます。


  • 4-1.予想できるリスク

  • 4-2.突発的なリスク


これらを把握しておくことが重要な理由は、アパート経営で最も多い失敗要因が「収入は満室で想定する、支出を楽観的に見積もる」ことだからです。


特に1棟アパートは、区分マンション(1室)と異なり、空室・修繕・災害などのリスクがすべてオーナー自身に集中します。リスクが現実になれば、家賃収入がゼロになり返済だけが続くことも十分あり得ます。


そこでアパート経営を始める前に、これらのリスクを把握しあらかじめ対策を立てておきましょう。


4-1.予想できるリスク

アパート経営にはある程度予想できるリスクが複数存在します。



次の表では、長期経営で直面するリスクについて、発生頻度・収入へのダメージ・内容をまとめています。


【アパート経営で予想できるリスク】

リスク

内容

空室リスク

(ダメージ:★★★)

(発生頻度:★★★)

  • 退去・入居者が決まらない期間、家賃収入がゼロになる

  • 賃貸住宅の平均空室率:約23%=5戸中1戸は空室(※1)

家賃下落

(ダメージ:★★☆)

(発生頻度:★★★)

事実、築年数とともに年率約1%ベースで下落する

修繕

(ダメージ:★★☆)

(発生頻度:★★☆)

  • 外壁・屋根・設備交換など10~15年ごとに大きな出費になる

  • 大規模修繕の費用目安は約400~600万円

金利上昇

(ダメージ:★★★)

(発生頻度:★★☆)

変動金利の場合、返済額が増え手取りが減る

(住宅ローン契約者の約8割が変動金利を利用※2)

税金

(ダメージ:★☆☆)

(発生頻度:★★☆)

  • 10室以上で個人事業税が加算

  • 所得が増えると税率も上がる

(例:所得330万円までは税率10%、330万円超の部分は20%)

※1 出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」

※2 出典:国土交通省「令和6年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」


経営を安定させるには、これらのリスクを甘く見積もらず、最初から収支計画に織り込んでおくことが不可欠です。


4-2.突発的なリスク

アパート経営では、予測が難しい突発的なリスクも潜んでいます。


突発的に起こりうるトラブルは次のとおりです。


【アパート経営で起こる突発的なリスク】

リスク

内容

災害・天災

(ダメージ:★★★)

(発生頻度:★☆☆)

  • 地震・台風・水害で建物が損傷⇒収入ゼロなのに返済は継続する

  • 頻度は少ないが起こると致命的

(東日本大震災の全壊被害に遭った家の再建費用は平均約2,500万円)

入居者トラブル

(ダメージ:★☆☆)

(発生頻度:★★★)

家賃滞納・夜逃げ・事故物件などで収入が突然途絶える

出典:内閣府防災情報のページ「住宅・生活再建にはこんなにお金がかかる」


収入が突然ゼロになったり、大きく減ったりする可能性があります。

アパート経営を始める前に、このようなリスクを知っておくだけで、備え方が大きく変わります。


5.アパート経営を始める人の必須条件3つ


シミュレーションを見て、アパート経営を始めようかなと考えている人もいらっしゃるでしょう。

ここからは、アパート経営を始める人の必須条件として下記3つを解説します。


5-1.赤字になっても耐えられる余裕資金がある

5-2.本業の収入が安定している

5-3.長期的な資産形成として取り組める


物件選びに入る前に、自分自身がこの3つの条件を満たしているかを確認しましょう。


5-1.赤字になっても耐えられる余裕資金がある

アパート経営を始める人の一つ目の条件は、赤字が発生しても対応できる余裕資金があることです。


余裕資金がない状態でアパート経営を始めると、空室や修繕が発生した際に対応できず、経営の継続が困難になります。


余裕資金は一概に「〇円」とは言えませんが、目安として「1年分の支出合計+購入後10年以内に発生しうる修繕費分」を確保しておくとよいでしょう。


【余裕資金の目安金額例】

例えば、3章のシミュレーションで取り上げた初心者でも取り組みやすい物件例では、1年分の支出合計は約580万円でした。


購入後10年以内に発生しうる修繕費として200~300万円を想定すると、合計780~880万円の余裕資金が必要と想定できます。


アパート経営を始めるかどうかの判断基準は次のとおりです。


アパート経営を始められる人

アパート経営は見合わせたほうがよい人

  • 空室が続いても1~2年は自己資金で対応できる

  • 大規模な修繕に対応できる資金(200~300万円)がある

  • 投資用とは別に生活防衛資金を確保している

  • アパート購入資金以外に手元資金がほとんどない

  • 空室や修繕費が発生すると生活費に影響がでる


アパート経営当初から修繕費を積み立てておけば、数年後にはある程度の資金が確保できますが、運用初期はまだ十分な備えができていない状態です。


そのため、空室や修繕が重なっても、自己資金で対応できる余裕が必要です。


5-2.継続的にキャッシュを生み出せる収入源・資産を持っている

アパート経営を始める人の二つ目の条件は、継続的にキャッシュを生み出せる収入源・資産を持っていることです。


アパート経営だけで、常に安定した収益が得られるのが理想ですが、そうとは限りません。

空室が続いたり、修繕費が重なったりすると一時的に持ち出しが発生することもあります。


本業の給与収入や事業収入など、家賃収入以外の安定した収入があれば、一時的な赤字も無理なく補えます。


アパート経営を始めるかどうかの判断基準は次のとおりです。

アパート経営を始められる人

アパート経営は見合わせたほうがよい人

  • 安定した給与や事業収入があり持ち出しにも対応できる

  • 金融資産を保有しており必要に応じて取り崩せる

  • 家賃収入だけで生活することを想定している

  • 本業の収入が不安定で赤字の補填は難しい

  • 持ち出しが発生すると生活に支障がでる


家賃以外の収入源があるかどうかで、


5-3.長期的な資産形成として取り組める

次の条件は、アパート経営を長期間な資産形成として取り組めるかどうかです。


アパートは短期間で大きな利益を得る投資ではありません。

特にローンを組んでアパート経営を始める場合、収益が安定してプラスになるのはローン完済以降になることがほとんどです。


そのため、20~30年程度の長期運用を前提に取り組めるかどうかが判断基準になります。


アパート経営を始めるかどうかの判断基準は次のとおりです。

アパート経営を始められる人

アパート経営は見合わせたほうがよい人

  • 20~30年以上かけて収益を得る前提で取り組める

  • 数年で元を取りたい?・すぐに大きな利益を得たい

  • すぐに現金化したい


6.アパートの家賃収入を最大化するには管理会社選びが重要


アパートの家賃収入を最大化するには、管理会社選びが重要です。


アパート経営では、同じ物件でも管理会社の対応によって入居率や家賃水準が変わることがあります。

特に、入居者募集の体制や建物管理の質は、長期的な収益に大きく影響します。


【管理会社選びが重要な具体例】

・共用部分の清掃が行き届いている

→入居率の向上につながる


・定期点検により設備の不具合を早期に発見してくれる

→部分的な修繕で対応でき、修繕コストを抑えられる


・建物の住宅性能や教養部の状態が良好に維持されている

→家賃水準を維持しやすくなり、下落を緩やかにできる


このように、管理会社の対応で、入居率・家賃水準・修繕費用が変わります。

長期的に見て家賃収入を最大できるかどうかは、管理会社選びに大きく左右されるといえるでしょう。


「いざ貸す」で複数の管理会社をまとめて比較しよう!


管理会社によって家賃収入は大きく左右されるため、1社だけを見て決めてしまうのはリスクがあります。

アパート経営を始める際は、複数の管理会社を比較して選ぶことが重要です。


「いざ貸す」を利用すれば、物件情報を入力するだけで、物件の特性や希望条件に最適な管理会社から提案を受けられます。


特定の会社をおすすめするサービスではないため、中立的に複数の管理会社を比較できます。


【いざ貸すの強み】

  • 全国650社以上と提携しており、幅広いエリアに対応できる

  • 一括で最大6社の賃貸管理会社に査定依頼ができる

  • 利用料は完全無料、オーナー様は費用負担なしで利用できる


まずは複数社の提案を比較して、ご自身の物件に合う管理会社を確認してみましょう。


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7.まとめ

本記事では、アパート経営の家賃収入について解説しました。

構造別の家賃収入相場は次のとおりです。


【構造別の家賃収入相場】

構造

家賃収入目安

木造

約508.8万~758.4万円/年

(約42.4万~63.2万円/月)

非木造(軽量鉄骨・RC)

約614.4万~892.8万円/年

(約51.2万~74.4万円/月)


収入と支出には以下の項目があります。


収入

【毎月】

家賃、共益費、駐車場代


【入居者の入れ替え時】

礼金


【契約更新時(通常2年ごと)】

更新料

支出

【購入時】

物件価格、物件購入時の諸費用、ローン契約の諸費用


【入居者入れ替え時】

原状回復費、広告宣伝費


【毎月】

借入金の利息、管理委託手数料、共用部分の電気代・水道代


【毎年】

固定資産税・都市計画税、損害保険料


【不定期】

修繕費・修繕積立費


アパート経営には下記のようなリスクがあります。


空室リスク

・ダメージ:★★★

・発生頻度:★★★

家賃下落

・ダメージ:★★☆

・発生頻度:★★★

修繕

・ダメージ:★★☆

・発生頻度:★★☆

金利上昇

・ダメージ:★★★

・発生頻度:★★☆

税金

・ダメージ:★☆☆

・発生頻度:★★☆

災害・天災

・影響度:★★★

・発生頻度:★☆☆

入居者トラブル

・影響度:★★☆

・発生頻度:★★★


これらのリスクに耐えうるためには、下記の条件を満たしてからアパート経営に踏み切るとよいでしょう。

  • 赤字になっても耐えられる余裕資金がある

  • 本業の収入が安定している

  • 長期的な資産形成として取り組める


アパート経営は、正しい知識と準備があれば、長期的な資産形成において強力な手段の一つとなります。

本記事の内容を、アパート経営に踏み切るかどうかの参考にしてみてください。

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Author

河上 隼人

河上 隼人 HAYATO KAWAKAMI

株式会社エイムプレイス 代表取締役

1980年11月8日生まれ 広島県出身

インターネットメディア事業「いざ貸す」を運営し、不動産オーナーと不動産会社をつなぐ架け橋として活動。効率的で自由度の高い経営スタイルを追求しながら、自らも日々学び続けている。

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