家を査定に出すときの5つの注意点と納得できる査定を受けるコツ

河上 隼人 監修者:河上 隼人
家を査定に出すときの5つの注意点と納得できる査定を受けるコツ

「家族のなかで祖父から相続した家を売却しようという話が出た。まずは査定を受けるみたいだけど、初めての査定に不安がある。本当に大丈夫なのかな?」

「転勤に伴う引っ越しで家の売却を決心した!査定はこのまま受けて大丈夫?注意点はないのかな?」

相続された家の老朽化や引っ越しなどを機に家の売却を検討し始めると、最初のハードルとなるのが「家の査定」です。

初めての査定に「騙されることはないか」「注意点はないのか」など、不安を抱えている方は多いでしょう。

家を査定に出すときに知っておきたい注意点には、下記の5つがあります。

ただし、家の査定は、注意点があるから難しいわけではありません。下記のように査定前から査定後までのポイントを押さえて実施すれば、納得できる査定が受けられます。

だからこそ「何となく家の査定を受ける」のではなく、事前に注意点を把握して売却の判断ができる適正な査定が受けられるようにしましょう。

そこで本記事では、家を査定に出すときに知っておきたい注意点と納得できる査定を受けるポイントをまとめて解説します。

最後まで読めば家の査定を受けるときの注意点を知ったうえで、ポイントを押さえながら査定を進められるようになります。

家の査定は「売却できそうか」などの判断をするために、欠かせない工程です。

査定を疎かにして「売却しなければよかった」「もっと高く売却できた」などと後悔しないためにも、参考にしてみてください。

1.家を査定に出すときに知っておきたい5つの注意点

家を査定に出すときには、次の5つの注意点を意識することが大切です。

とくに、査定は家を売却するべきか判断する重要な工程なので、誤った判断をしないように進める必要があります。

どのような点に注意すればいいのか、参考にしてみてください。

家を査定に出すときに知っておきたい5つの注意点

  • 【重要】1社のみに査定を出さない

  • 高額査定=その額で売却できるとは限らない

  • 囲い込みのリスクを把握しておく

  • 査定前に掃除、リフォームをしても査定額が大幅に変動しにくい

  • 家の不具合を隠さない

1-1.【重要】1社のみに査定を出さない

1つ目は、1社のみに査定を出さないことです。1社のみの査定額では、その査定額が本当に適切なのかを判断できないためです。

家の査定額は、家の価値だけでなく、不動産会社のスキルや戦略によって変動します。

査定額を決める要素

概要

家の価値

  • 築年数や間取り

  • 周辺環境(駅、スーパーに近い・治安がいいなど)

  • 土地の広さ

  • 市場の動向(今後需要があるかなど)

不動産会社のスキル

  • 売却の提案力(今の家のまま売却する・更地にするなど)

  • 売却先のパイプ

  • 宣伝力

  • 今までの実績

例えば、38坪築35年の家を査定に出すとしましょう。

不動産会社のスキルが不足しており家の価値のみで査定した場合と、そこに最適な戦略を踏まえて査定した場合では、数百万以上査定額が変わることがあります。

複数社に査定依頼をすれば、低い査定額と高い査定額の双方が分かり、「この家はこのくらいの価格で売却できそう」という市場相場を掴めるようになります。

このような背景を知らずに1社のみの査定額を基準にすると、適切な判断ができずに後悔してしまう可能性があるのです。

「複数社に査定を依頼するのは面倒」と感じるかもしれませんが、数百万円損をする、誤った判断をしてしまうなどの失敗を避けるためにも、1社のみに査定を依頼することは避けましょう。

▼具体的な解決策は下記をチェック

2-1.近隣の家の売却額を事前に把握しておく

2-2.家の査定は複数社に依頼をする

1-2.高額査定=その額で売却できるとは限らない

2つ目は、高額査定を受けても、その額で売却できるとは限らないことです。

査定額はあくまでも不動産会社の参考価格であり「この価格で売却できる」と約束するものではないからです。

家の売却に関する価格

概要

査定額

  • 3ヶ月以内に売却できると想定した価格

  • 不動産会社が家の価値、戦略などをもとに算出する

売り出し価格

  • 家を売り出すときの最初の販売価格

  • 売り出し時の市場の状況や戦略によって変動する

売却額

  • 買主が家を購入したときの最終的な取引価格

  • 不動産会社と買主との交渉で変動する

そのため、査定額が高くて喜んでいても、実際には査定額より低い価格でしか売却できないことが起こり得るのです。

なかには、この価格では売却できないと把握していながらも、自社を選んでほしいという思いから敢えて高い査定額を提示して目を引く不動産会社も存在します。

査定額はインパクトがあり比較しやすいポイントなので「他社よりも500万円高い査定額です」などと話して契約を締結して、査定額より低い価格で売却をするのです。

「思っていた価格と違う」と思っても、先ほど述べたように査定額=売却額ではないため「査定額ばかり意識してしまった」と後悔することになります。

このように、高い売却額だけに注視してしまうと、悪質な不動産会社の戦略に引っかかるリスクが増えてしまうでしょう。

高い売却額だけを見るのではなく「なぜ高い売却額なのか」をしっかりと理解することが大切です。

▼具体的な解決策は下記をチェック

2-3.査定額の理由と売却できそうな時期を聞く

【高すぎる査定額を維持すると売れないリスクもある】

高すぎる査定額をそのまま売り出し価格にできたとしても、市場の現状と離れており売れないリスクがあります。長期間売れないと最終的には売り出し価格を下げるなどの対応をしなければなりません。

だからこそ、高い査定額だけを見て喜ぶのではなく、本当にその価格で売却できるのかまで把握して納得してから次に進む必要があるでしょう。

1-3.囲い込みのリスクを把握しておく

3つ目は、囲い込みのリスクを把握しておくことです。

囲い込みの対象になると売却活動が制限され、長期化するなど査定後の行動に悪影響が出るからです。

そもそも囲い込みとは、自社のみで取引を完結できるように、意図的に売却活動を制限することです。

他社を介さずに売却活動ができれば、売主と買主の双方から手数料が入り利益を最大化できる背景があります。

近年、囲い込み対策として宅地建物取引業法施行規則が改正され、レインズへの取引状況登録義務の厳格化などが行われました。

違反が確認された場合は、違反行為の是正(違反している状態を改善する)対象となりますが、手口が巧妙化していることもあり完全に撲滅することはまだ難しいと考えられています。

とくに、査定時は、下記のような方法で囲い込みの対象者を探している可能性があるので、注意が必要です。

【囲い込みの対象者を探す行動の例】

  • 他社より高い査定額で目を引く

  • 1社に絞り込むと査定額や売却額がアップすると話す

  • 1社に絞ったほうが売却しやすいなどと話す

例えば、高額な査定額の提示とともに「自社だけで検討するともっと高く売却できる可能性があります」などと話して、契約後に囲い込みをするなどが考えられるでしょう。

査定前に囲い込みがあるということを知っておくだけでも、不動産会社の不審な行動に注意できるようになります。高い査定額や1社絞り込みに簡単に反応しないようにしましょう。

▼具体的な解決策は下記をチェック

2-3.査定額の理由と売却できそうな時期を聞く

1-4.査定前に掃除、リフォームをしても査定額が大幅に変動しにくい

4つ目は、査定前に掃除、リフォームをしても査定額が大幅には変動しにくいことです。確かにきれいな状態で査定するに越したことはありませんが、査定は今の家の現状を総合的に見て行うためです。

リフォームやクリーニングで室内がきれいでも「外壁が割れている」「駅まで遠い」「需要が少ない間取り」などの要素があれば、現状の家の価値として大幅に高くならない傾向があります。

また、リフォームでは、下記のように売主の趣味や考え方でのリフォームは査定額の大幅な上昇につながらないことが多いです。

【査定前のリフォーム例】

  • おしゃれなキッチンに変えた

  • 高級感のある床材に変えた

  • 開放感のある吹き抜け空間にした

例えば、吹き抜けやおしゃれな床材は、地域によっては需要が少ない、光熱費が高くなるなどマイナスポイントになることがあります。

良かれと思って行ったリフォームが家の価値を大きく高めるものでなければ、査定額を上げることが難しいのです。

このように、家のクリーニングやリフォームは

  • 家の価値を決める要素の1つでしかない

  • クリーニングやリフォームが価値向上に直結しない傾向がある

という背景があるので、査定前に注力して実施しないようにしましょう。

▼具体的な解決策は下記をチェック

2-4.懸念点を包み隠さず伝える

【基本的には査定額にリフォーム代を上乗せできない】

「査定額に投資したリフォーム代を上乗せしたい」と考えているケースもあるかと思いますが、基本的には査定額にリフォーム代を上乗せできません。

例えば、リフォームにかかった300万円を査定額に上乗せするなどの方法は考えにくいです。また、売り出し価格にリフォーム代を上乗せしたとしても、その分価格が高くなるので売れにくくなるでしょう。

1-5.家の不具合を隠さない

5つ目は、家の不具合を隠さないことです。不具合を隠したまま売却した場合に、トラブルに発展するリスクがあるためです。

現在の民法では「契約不適合」という売主の責任が定められています。売主は契約内容に適合しない瑕疵(不動産の欠陥や不具合)のある不動産を引き渡した場合には、補修請求や契約解除などの責任を負うというものです(追及には通知期限などの制限あり)。

下記のような瑕疵を隠したまま査定を受けて売却まで進んでしまうと、売主の責任が問われる可能性があります。

【家の瑕疵の例】

  • シロアリ被害がある

  • 一部に雨漏りがある

  • 給排水管の故障がある

また、不具合を隠して査定額を高めても、売り出し価格設定前に共有すれば、売り出し価格が下がるため、隠した意味がなくなります。

このように「家の不具合を隠して高い査定額を算出したい」と考えても、最終的にトラブルになるので、包み隠さず共有することが大切です。

▼具体的な解決策は下記をチェック

2-4.懸念点を包み隠さず伝える

【家の売却が難しいと感じたら賃貸も検討できる】

詳しくは「3.家の売却に悩んだら賃貸も1つの選択肢として考える」で解説しますが、家の査定を受けて「思ったような査定額ではなかった」「もう少し先に売却したほうがいいかもしれない」など今売却することが難しいと感じたら、賃貸を検討してみるのも1つの方法です。

家はそのまま放置すると劣化が進む一方ですが、賃貸として貸し出せば資産を維持しつつ家賃収入を得られます。

また、賃貸として持ち続ければ、将来住んだり良いタイミングで売却したりなど柔軟な判断ができるでしょう。家の売却しか念頭に置いていなかった場合は、家の賃貸も選択肢に入れてみましょう。

2.納得できる家の査定のために事前に知っておきたいポイント

家の査定時に注意する点が分かったところで、納得できる査定を受けるために事前に知っておきたい5つのポイントを時系列に沿ってご紹介します。

このポイントを理解してから査定に臨むと「売却額との差が大きかった」「市場相場と離れた売却額で売ってしまった」などの失敗を可能な限り減らせます。

すぐに実践できるポイントばかりなので、ぜひ試してみてください。

納得できる家の査定のために事前に知っておきたいポイント

  • 近隣の家の売却額を事前に把握しておく

  • 家の査定は複数社に依頼する

  • 査定額の理由と売却できそうな時期を聞く

  • 懸念点を包み隠さず伝える

  • 可能な限り訪問査定を実施する

2-1.近隣の家の売却額を事前に把握しておく

1つ目は、近隣の家の売却額を事前に把握しておくことです。査定に出す家に近い市場相場を把握していれば、査定額が妥当かどうか判断しやすくなるためです。

近隣の家の売却額を調べる方法には、下記のようなものがあります。

売却額を調べる方法

概要

不動産情報ライブラリを活用する

国土交通省が公開している情報をもとに同じ地域の不動産取引価格を確認する

インターネットで検索する

不動産会社などのWebサイトを見て同じ地域の売却額を確認する

不動産会社に聞いてみる

不動産会社を訪問して同エリア、同じような築年数、大きさの売却事例を聞いてみる

例えば、国土交通省が公開している不動産情報ライブラリでは、不動産の取引価格、成約価格などが簡単に検索できます。

今回は、不動産情報ライブラリを活用して不動産取引価格を調べる方法の一例をご紹介します。

まずは、トップイメージから「地域検索」をクリックします。

出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」

都道府県から丁目までを入力するページが表示されるので、査定をする家がある地域の情報を入力します。入力ができたら「地図表示」をクリックします。

出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」

続いて、画面上部の「価格情報」をクリックして「不動産取引価格情報」にチェックを入れます。

出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」

その後、タブのなかにある「条件設定」をクリックして、建物の種類と価格情報を検索する期間を設定します。

ここまで入力をして「決定」を押すと、取引価格がある場所に青い四角が表示されます。クリックすると、取引価格などの詳細情報を確認することが可能です。

出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」

近隣の家の売却額を調べるときは、できる限り下記のような条件が近い家を参考にすることがポイントです。

【近隣の家の売却額を調べるときに確認したい条件】

  • 築年数

  • 家や土地の大きさ

  • 間取り

  • 接している道路

  • 家の向き

例えば、同じエリアで似た条件の家が5,000万円で売却されていれば、この価格を自分のものさしとして持っておくことができるでしょう。

このように、何も知らない状態で査定額を見ても、高いのか低いのか判断しにくいため、自分なりの目安を持っておくことをおすすめします。

家の査定に失敗しないためのチェックポイント

  • 査定に出す家と近い条件の近隣の家の売却額を把握しているか

  • 調べても分からない場合は不動産会社などに問い合わせをしたか

2-2.家の査定は複数社に依頼する

2つ目は、家の査定は複数社に依頼することです。「1-1.【重要】1社のみに査定を出さない」でも触れたように、1社に絞り込んでしまうと査定額が適正なのか判断しにくくなるためです。

最低でも3社以上に査定を依頼して、比較できるようにしましょう。具体的な査定方法には、下記のような種類があります。

査定の依頼方法

概要

査定の粒度

手間の少なさ

活用ケース

シミュレーション

・AI査定

シミュレーション・AI査定サイトを通じて査定をする

売却可能額をざっくりと知りたい

匿名査定

匿名査定サイトを通じて査定をする

直接連絡を避けながらある程度の売却目安額を知りたい

一括査定

・不動産会社の査定

一括査定や不動産会社の査定を受ける

売却に進む可能性があり売却目安額が知りたい

不動産鑑定士の査定

不動産鑑定士に依頼をして査定する

相続や離婚調停、財産分与などで正確な評価が必要になった

例えば、シミュレーションや匿名査定はWebサイトから利用できる手軽さはあるものの、提供する情報が少ないため査定の精度は低くなります。

この査定額だけを参考にして家の売却を判断するのはリスクがあるので、一括査定・不動産会社の査定と併用する必要があるでしょう。

また、相続や離婚調停、財産分与などで、家の正確な評価額が必要になる場合は、国家資格である不動産鑑定士の査定を受ける方法を検討できます。

このように、さまざまな方法を駆使しながら、3社以上に査定を受けられるようにしましょう。

▼家の査定先については、下記の記事で詳しく解説しています。

家の査定はどこに頼む?6つの正解ルート&厳選12サイトを紹介

家の査定に失敗しないためのチェックポイント

  • 3社以上に査定を出したか

  • ざっくりとした査定額が分かる方法だけではなく一括査定や不動産会社の査定も混ぜて実施したか

2-3.査定額の理由と売却できそうな時期を聞く

3つ目は、査定額の理由と売却できそうな時期を聞くことです。この2つを聞くと査定額に根拠があるのか、確認できるからです。

「今なら〇〇万円で売却できる可能性がある」など高い査定額を提示して目を引く、囲い込むなどの行為では、根拠を聞くと回答できないことがあります。

そのため、納得感のある根拠を提示できるかどうかは、信頼性のある査定額なのか見極める要素になるのです。

下記のように、売却できる価格を想定した額になっているのかしっかりと聞いてみましょう。

質問の項目

質問例

査定額の質問

  • どのような事例を参考にしましたか?

  • どのような条件を加味していますか?

  • 査定額が低くなる、高くなるポイントはありましたか?

  • 他社は〇〇万円でしたが、この差の理由は何ですか?

  • この査定額で売却できた事例や実績はありますか?

時期の質問

  • この査定額はどれくらいの売却期間を見込んでいますか?

  • この期間でこの査定額で売却できる根拠を教えてください。

このときに、査定額の質問に、どの程度細かく回答できているかがポイントです。

例えば「どのような条件を加味していますか?」に対して「家の価値や周辺環境、需要を考慮しました」など、どのような家にも当てはまる回答であれば、細かく査定していない可能性があります。

一方で「この家の〇〇設備でプラス〇〇万円、周辺環境の良さでプラス〇〇万円」などと、具体的な根拠を示せる場合は信憑性が高いでしょう。

併せて、事例や市場の相場などの資料も提出してもらえると、査定額への納得感が高まります。

このように、何となく提示した査定額ではなく、細かな根拠がある査定額だということを確認しておくことで、売却価格と大きく乖離する可能性が減るでしょう。

【市場相場より高くても納得できる根拠があれば問題ない】

市場相場より高い査定額であっても、家の価値や不動産会社の戦略に納得できる理由があれば問題ありません。

例えば、事例よりも築年数が浅い、需要のある間取りなど適正な評価を受けているのであれば、その分高く売れる可能性があると考えてもいいでしょう。

家の査定に失敗しないためのチェックポイント

  • 査定額だけを見て判断しないで「なぜその査定額なのか」確認したか

  • 査定額の根拠として具体的な理由、数値を提示してもらえたか

  • 査定額の根拠となる資料や実績を提示してもらえたか

2-4.懸念点を包み隠さず伝える

4つ目は、査定する家のメリットだけでなく、懸念点も包み隠さず伝えることです。偽りのある情報をもとに査定してしまうと、売り出し価格や売却額との差が広がるだけだからです。

査定する家の現状や周辺環境を確認しながら、魅力的な部分と懸念点をまとめておくといいでしょう。

事前に伝えたい部分

家と周辺環境の伝え方の例

魅力的な部分

<家>

  • 家事動線がよくて使いやすい間取りだった

  • ベランダが広い

  • バリアフリーに対応している

<周辺環境>

  • 病院やスーパーが近い

懸念点

<家>

  • 外壁にひび割れがある

  • 床材の傷が多い

<周辺環境>

  • 隣家の騒音が気になるときがある

  • 駅までは徒歩15分かかる

「家の不具合や懸念点が分からない」「査定後のトラブルを避けたい」という場合は、査定前にインスペクション(不動産調査)を受けるのも1つの方法です。

知識のある専門家が家の状態を細かく確認するため、売主が把握していなかった懸念点などを発見できる可能性があります(不動産会社との契約前に実施することも可能です)。

インスペクションに対応している不動産会社などに問い合わせをして、下記のような手順で実施します。

【インスペクションの手順】

  1. インスペクションに対応している不動産会社などに問い合わせをする

  2. 日程調整をして査定する家の調査をしてもらう(費用や要望によって調査範囲が変わります)

  3. 後日調査結果を受け取り不具合などがないか確認する

このように、正確な査定額を算出できるように、図面や設計図から分かる情報だけではなく売主だからこそ知っている情報を提供することが大切でしょう。

家の査定に失敗しないためのチェックポイント

  • 家、周辺環境の魅力と懸念点をまとめているか

  • 家の懸念点は小さなことでも隠さずに共有できているか

  • 家が古く懸念点が多い場合は事前にインスペクションを検討したか

2-5.可能な限り訪問査定を実施する

5つ目は、複数社から査定額が出た後に可能な限り訪問査定を実施することです。

訪問査定ではより精度の高い査定額が算出できるので、売却額と大きな差が出にくくなるためです。

家の査定方法には、机上査定と訪問査定があります。「2-2.家の査定は複数社に依頼する」で紹介した方法は、不動産鑑定士による査定を除き机上査定であることが多いです。

項目

机上査定

訪問査定

概要

売主から提供してもらうデータや市場相場などをもとに査定額を算出する

査定対象の家に担当者が訪問して家の状態、周辺環境を細かく確認したうえで査定書を作成する

査定スピード

早い(即日可能)

訪問後作成なので一定の時間がかかる

査定の精度

訪問査定よりも低い

高い

机上査定で複数社の査定額を出し、そのなかから気になる不動産会社に訪問査定を依頼すると、より現実的な査定額を把握できるでしょう。

訪問査定では、下記のような手順で査定する家を細かくチェックした後に査定書を作成するため、根拠のある査定額になりやすい点もポイントです。

【訪問査定の流れ】

  1. 不動産会社に訪問査定の依頼をする

  2. 訪問査定の日程調整をして実施する

  3. 訪問査定の調査結果をもとに査定書を作成する

  4. 査定書を受け取り売却するべきか判断する

もちろん、机上査定の段階で「売却に進むべきか」「もう少し考えるべきか」という判断をしてもいいのですが、より正確な査定額をもとに慎重な判断をしたい場合には、訪問査定を活用するといいでしょう。

家の査定に失敗しないためのチェックポイント

  • 複数社の査定終了後に訪問査定に進む不動産会社を選定したか

  • 訪問査定により机上査定よりも納得できる具体的な査定額を把握できたか

3.家の売却に悩んだら賃貸も1つの選択肢として考える

ここまで、家を査定するときの注意点と対策を解説してきました。

家の査定を検討しているということは「家を売ろうかな」「このまま資産として持っていたほうがいいのかな」と悩んでいる段階だと思います。

今後の家の活用に悩んだときは「売る」という選択肢以外に、「賃貸に出す」ことも検討しましょう。

引っ越しや介護など今すぐまとまった現金が必要な場合は家の売却は有効な手段ですが、それ以外の場合は賃貸に出す方が賢明なこともあります。

【家の賃貸を選択するメリット】

  • 大切な資産を残せる

  • ここぞという売り時に売却できる

  • 入居者がいる限り毎月賃料を受け取れる

  • 老後に住む、孫に相続するなど柔軟な活用ができる

例えば、今は家を活用するイメージを持っていないかもしれませんが、大切な資産として残しておけば老後に住むなど柔軟な活用ができるようになります。

また、家の活用法がなく空き家のまま放置すると劣化が進みますが、誰かに住んでもらうことで劣化を防ぎつつ一定の賃料を受けることも可能です。

「今売るよりも数年先のほうがいいかもしれない」と売り時に不安を感じている場合も、一度賃貸として貸し出しをして、タイミングを見極める方法も検討できるでしょう。

このように、今すぐに家を売却しなければならない金銭的な理由がない場合は、賃貸も有効な方法として検討してみてください。

▼家を賃貸に出す方法は、下記の記事で詳しく解説しています。

失敗しないための戸建ての賃貸管理|管理会社の選び方と自主管理との比較

▼実家が空き家になったときの活用法は下記の記事で詳しく解説しています。

実家が空き家に|後悔しない活用法と今からできる対策を徹底解説

4.賃貸を検討するなら複数社に一括査定できる「いざ貸す」を利用してみよう

家の賃貸に興味を持ったときに「どれくらいの家賃で貸し出しできそうか」が気になるところでしょう。

賃料の目安を把握したいときは、不動産を賃貸に出したい方に選ばれている賃貸査定サイト「いざ貸す」をご利用ください。

提携社数は650社以上あり、物件に応じて最大6社の厳選された不動産会社から提案が届く点が特徴です。

オーナー様は完全無料で利用できるだけでなく、下記のような強みがあり安心してご利用いただけます。

【いざ貸すの特徴】

  1. 10年以上の安定した運営実績があり、累計査定利用者数11万人を突破している

  2. 厳格な審査を通過した不動産会社のみと提携している

  3. 都心部だけでなく地元密着の優良企業も多数在籍している

「いざ貸す」では最短60秒で査定依頼ができるので、まずは「どれくらいの賃料になりそうか」チェックしてみてください。

5.まとめ

本記事では、家の査定をするときの注意点と納得できる査定をするためのポイントをまとめて解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇家を査定に出すときに知っておきたい注意点は下記のとおり

  • 【重要】1社のみに査定を出さない

  • 高額査定=その額で売却できるとは限らない

  • 囲い込みのリスクを把握しておく

  • 査定前に掃除、リフォームをしても査定額が大幅に変動しにくい

  • 家の不具合を隠さない

〇納得できる家の査定のために事前に知っておきたいポイントは下記のとおり

  • 近隣の家の売却額を事前に把握しておく

  • 家の査定は複数社に依頼する

  • 査定額の理由と売却できそうな時期を聞く

  • 懸念点を包み隠さず伝える

  • 可能な限り訪問査定を実施する

〇すぐにまとまった現金が必要など「今すぐ家を売却しなければならない理由」がない場合は賃貸も検討してみる

家の査定は売却するべきかを検討するときに、欠かせない工程です。ここで判断を誤らないためにも、この記事を参考に納得できる査定を目指しましょう。

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Author

河上 隼人

河上 隼人 HAYATO KAWAKAMI

株式会社エイムプレイス 代表取締役

1980年11月8日生まれ 広島県出身

インターネットメディア事業「いざ貸す」を運営し、不動産オーナーと不動産会社をつなぐ架け橋として活動。効率的で自由度の高い経営スタイルを追求しながら、自らも日々学び続けている。

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